午前スタートの3組目、7時18分でスタートした小斉平優和は、1番でいきなりボギーを叩き、5番(パー3)でも、7番アイアンの第1打がグリーン手前バンカー。そこから寄らず入らずで、ボギー。ともかくショットの落ち着きがなかったと言う。
そのショットの乱れが、後半に入っても続いた。10番では第1打が右ラフ。手前に大きな木があった。第2打で、その木の上を通すショットを放ったけれど、ピンから10メートルの距離が残った。「あー、ここでもボギーかな」と思ったパッティングが、なんと入ってくれてバーディとなった。
「ショットが、全部ミスで、バーディが獲れるなんて……」と小斉平は、首をかしげる。でも、それも
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ゴルフゲームには、あり得る話でもある。
小斉平のこの日の躍進は、ここから始まった。続く11番(パー5)でも、第1打はミスしてラフ。第2打をグリーン手前40ヤードまで近づけて、そこからのアプローチが、ピン1メートルに寄ってのバーディ。さらに、12、13、14番と5連続バーディをもぎとったのである。
「振り返ると、ミスから始まるバーディばかりだったと思います。12番でも第1打の3番ウッドがミスだし、13番(パー3)の5番アイアンは、まあまあだったかな。7メートルですから、それが入ってのバーディでしょう。14番だって、第1打、ドライバーのミスだったし…」と嬉しいやら、いまひとつ心から喜べない心境なのだろう。16番でボギーとしたものの17番でまたバーディを獲って、この日、38・31の69。3アンダーパーで首位タイで第1ラウンドを終えた。
身長180センチ。18歳。大阪の高槻出身で、現在日本ウェルネス高校3年生だ。3歳のときからゴルフを始めたと言われているけど?と、話を振ると「いや、遊びのひとつって感じですよ。ゴルフをちゃんとやりはじめたのは、小学生のころだと思います」と、屈託のない、そして、まるで大根を抜き取ったままのような素朴で新鮮な選手という感じである。もちろん、これまでの小学生からのジュニアの優勝歴も数多い。今年も関西アマチュア選手権に優勝している。
「昨日(指定練習日)よりも、グリーンが速くなっていますよね。上り傾斜でも、イメージよりも速いですから。ショットをもう少しなんとかしないと、いけませんよね」と語った。1打のミスをうまく繋いでスコアに結び付けられる粘りは、18歳とは思えないゲームマネージメントの持ち主、ということだと思う。
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