昨年の日本アマに優勝し、日本オープンでも総合11位、ローアマチュアに輝いた金谷拓実は、この日72。通算1オーバーパー、11位タイで第2ラウンドを終えた。10番からのスタート。金谷は、いきなりOBでダブルボギー。それでも動揺を抑えてプレーする姿勢は、いかにも金谷らしい。12、15、17番をバーディ。16番、ボギーでしっかりとパープレーでまとめて折り返した。後半では、2バーディ・2ボギーでまとめた。
「(首位と)5打差なら……」チャンスがあると金谷は思っている。昨年よりも少し大人びた面持ちだ。
「日本アマに勝って、日本オープンでもローアマでとなると、やっぱり常に結果がときまとう日常になって
しまったことは確かですね。そういうプレッシャーの中で戦えて、なおかついい成績を残せるように乗り越えなければいけないと感じています。いつも見られているから、それを感じながら戦うという状況を乗り越えた選手が、さらに上のレベルで戦っていけるわけですからね」というチャンピオンが背負う重圧がある。
「でも(この試合でも)結果にこだわっていますから、それで連覇を狙って進まないといけませんからね」と、キリリとした表情で語った。
もうひとり、別のプレッシャーに悩まされた選手いた。小西健太である。いやプレッシャーというよりも、心の整理がつけきれず第1ラウンドを終えたのだ。どうしたの?と聞くと「いや、僕が今年一番の目標にしていた全米アマのエントリーミスを知らされて、ショックというか、どうしたものかと、悶々として眠れなかったんです。でも、いまは、吹っ切れました。ここ数日で、答えが帰ってくるのですけど、自分の中では、もう全米アマには出られないと思うことにしたんです。未練を残したまま戦いたくないですからね」と語った。
小西も通算1オーバーパーで11位タイと金谷と並んでいる。この日、10番からのスタート。前半は、16番(パー3)でのボギーがひとつだけ。そして、後半では2番、ボギー。4番、バーディ。6番、ボギー。そして8番、バーディで73の1オーバーパー。スコアは伸びなかったけれど、小西の表情は、前日とは比べものにならないくらい明るさが戻っていた。
「全米アマに出られないという不運がありましたけど、このあと、きっと、それを埋められるような、いいことがあると信じています」と語った。どちらかといえば、言葉少なげでネガティブな性格だと思っていた小西も、東北福祉大学ゴルフ部のキャプテンになって、ポジティブに変わったのか、もともと素養を持ち合わせていたのか。小西の明るさが、救いだった。
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