アマチュアゴルファー日本一に向けて2度目の挑戦をしている長澤奨と島野璃央の2人が、ともに通算イーブンパーの7位タイと上位につけて注目を集めた。
2014年大会以来の出場となる長澤奨は、3番で3メートルのスライスラインを読み切ってバーディを先行させると、6番でも3メートル、9番(パー5)でもスコアを伸ばして、前半を3アンダーパーで終える。「雨と風の中で3つスコアを伸ばせたことは大きかった」と好調なプレーを見せていた長澤だったが、12番でグリーン手前のバンカーショットを寄せきれずボギーを叩いてしまい、ここまでの良い流れを断ち切ってしまう。それでも、16番(パー3)で10メートルはあろうかとい
うバーディパットを決めて、悪い流れを振り切ると、「17番のティーショットは、本当に思い切り。気持ち良く振り抜けた」と会心のショットでパー5のこのホールでバーディを奪う。その勢いのまま、最終18番では残り130ヤードの2打目をピッチングウェッジで1メートルにつける見事なショットで、3連続バーディフィニッシュ。6バーディ・1ボギーの67はこの日のベストスコアで、カットラインも気になる95位タイから一気に7位タイまで浮上してきた。「自分は洋芝も好きです。今日はティーショットがラフに入ってしまいましたが、フライヤーを計算してグリーンの手前から攻めっていったのが、うまくはまりました」と幼さが残る笑顔を見せる。物心つく前から始めたゴルフは、昨年高校を卒業しても進学をせずに、プロ転向を目指すまでにのめりこんでいる。「ですから、今年は最後の日本アマになると思います」と話すまなざしは、その後に続くであろう言葉を物言わずに語っている。大きな体躯からは想像がつきづらい得意のショートゲームを武器に、アマチュア日本一の称号を手にすることが出来るか。
一方の島野璃央も第1ラウンドは2オーバーパーの46位タイと苦しんでいた。この日も2番でボギーが先行。3番では1メートルのチャンスを決めきれない苦しい流れを強いられたが、5番(パー3)で5メートルの下りスライスラインを決めたバーディで息を吹き返す。「あのバーディは、ライン的にも入れようと思ったのではなくて…入っちゃったという感じだったんです。でも、このバーディで気が楽になりました」と9番(パー5)でもバーディを奪い前半を35で終える。後半も10番でボギーを叩いたが、14番で右ラフからの180ヤードの2打目を7番アイアンで2メートルにつけてバーディ。17番(パー5)でもバーディを重ねて、スコアが伸び悩む選手が多い中、70でホールアウトして順位を上げた。「今日は、ミスを帳消しにしてくれるパットがあって」と好スコアにも苦笑いを見せる島野。本選手権は昨年大会に続いて2度目の出場に、「雰囲気もわかってきて、緊張はしなくなりました」と、ようやく本来のプレーを見せることが出来たことには、笑顔から苦みが消えた。「今年の目標は、日本アマでの上位と日本学生出場です」と話す島野。まずは、1つ目の目標クリアに、「明日も1打に集中して。1つでもいいからアンダーパーでプレーできれば」と意気込んでいた。
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