混戦模様の第1ラウンドで首位と2打差の7位タイにつけた伊藤有志。昨日からの寒さと風、さらに小雨もぱらつくコンディションとなった第2ラウンドは、持ち味の粘りのプレーを見せた。
7番までは着実にパーオンを続けながらスコアを守ってきた伊藤に最初に訪れたチャンスは8番。「少しフォローの風を感じた」と残り170ヤードのセカンドショットに手にしたクラブは7番アイアン。「完璧な手ごたえ」というこのショットは、綺麗な放物線を描いて、ピンを刺す。50センチにつけるスーパーショットでバーディを先行させると、続く9番(パー5)でも146ヤードの3打目を8番アイアンで1メートルにつけて連続バーディを決めて見せた
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しかし、気まぐれにコースを吹き抜ける風が影響したのか、12番でセカンドショットのミスからスコアを落とすと、13番(パー3)もアプローチを寄せきれずに連続ボギーを喫し、前半の貯金を吐き出してしまった。それでも15番で3メートルのバーディパットを決めて、再び1アンダーパーにスコアを伸ばした伊藤が、17番(パー5)で計算通りにスコアを伸ばして見せる。終わってみれば、4バーディ・2ボギーの70。チャンスを確実にものにして、悪い流れを辛抱強くプレーする伊藤の真骨頂で、首位と1打差の2位と初優勝を狙える位置まで順位を上げた。
多くの選手がスコアメイクに苦しんでいる中、伊藤は、「北海道ブルックスカントリークラブは、自分に合っていると思います」と、笑顔。「距離が出ないので、しっかりとマネジメントをしていくのが自分のプレースタイル。このコースは、ただディーショットを飛ばせば良いというものではありませんから」と、好スコアの要因を挙げてくれた。
2011年大会ではベスト32、2015年大会でベスト64という成績を残している伊藤だが、日本アマチュアゴルフ選手権は、「悔しい思いばかりしています」と笑顔が消える。東北福祉大学4年生となった伊藤も、「今年が最後の日本アマだと思う」と、プロ転向を考えている。それだけに、「今年こそ、今までの悔しさを晴らしたい」と狙うのは、リーダーボードの一番上だけを見ている。その自信を裏付けているのは、「自分のゴルフも調子が良い」という好調さと、コースとの相性の良さ。
「明日は、ムービングデーですが、自分は自分のプレースタイルを守り抜く。ビッグスコアよりも、その方が大事だと思います。自分のマネジメントを出来れば、いいところにいられると思う」と目を光らせた。
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