社会人選手が、今回は14名出場した。その中で、昨年の日本ミッドアマ優勝者である豊島豊が、通算2オーバーパーの20位タイと健闘している。今年39歳。身長が169センチと小柄で、体格的には決して優位ではない。その豊島が「ゲームマネージメントだけでここまでこれた」と語った。
「いやー、でもジュニアや大学生ばかりで、その中で僕の年齢で戦うのは、正直辛いですよ(笑)。特に、寒いでしょう。15度の気温でアゲインストの風が吹けば、1番手以上は飛距離が落ちますからね。いまの若い子たちは、飛ばしますから」と言う。その豊島のゴルフゲームの考え方が、興味深い。「どうしても、若い選手に負けたくないっていう気持ちになるでしょう?でも、若い選手、つまり人と戦っていたら自分のゴルフが壊れると思うんです。人ではく、自分のスタイルのゴルフで、このコースとどう向き合っていくかに徹しないといけないと思うんです」と語る。コースのデザイン、芝種やラフ、風、グリーンなどなどを上から見回して、さて、自分のスタイルの球筋、いまの自分の技量、肉体的問題などを踏まえて、どう戦うか。どいうゲームマネージメントが最もパーをとる確率が高いか。バーディを奪える確率があるかなどを考えるというのだ。
「ともかく仕事をこなしながらですから、当然、練習する時間もほとんどないし、ですからナイスショットを追い求めていくような意識ではなく、自分の中で許容範囲を広くしながらミスした時のショックをどう受け入れるかなど、それがゴルフゲームだと思っていますからね」と言う。「ミスにも分類がある」と豊島は表現した。絶対やって引けないミスから、大ミス、中ミス、小ミスなどと分類して、どう許容していくか。どうカバーできていけるかなどもしっかりと捉えてのマネジメントである。
「10年前(2005年)の日本アマのころは、思い通りのボールが打てた時代だったんです。でも、そのときは、ゲームをショットに頼りすぎていたわけです。いまは真逆ですからね」といい「最近の若い選手を見ていると、ホントに、もったいないな、と思うんですね。ショットは素晴らしい、体力も、環境も素晴らしい。でも、マネジメントがねぇ。あー、勿体無いです」と語る豊島の後半36ホールを注目したい。
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