第1ラウンドは24位タイ、第2ラウンドで11位タイとジワリジワリと順位を上げてきたディフェンディングチャンピオンの金谷拓実。ムービングデーの第3ラウンドは、浮上速度を一気に上げた。
1番で残り135ヤードの2打目をピッチングウェッジで50センチにつけるスーパーショットでバーディ。続く2番では10メートルの上りフックラインをねじ込んで、連続バーディでスタートダッシュを決める。6番5メートル、7番3メートルのチャンスを決めきれなかったものの「欲はかかないように」と、冷静さを失わず、9番(パー5)で100ヤードの3打目をウェッジであわやチップイン・イーグルかと思わせるショットでバーディを奪う。
前半で3つスコアを伸ばした金谷は、11番(パー5)で計算通りバーディ。13番(パー3)では、2メートルのパーパットをねじ込むなど、得意のショートゲームが冴える。16番(パー3)で1.5メートルを外したボギーはあったものの、17番(パー5)で4メートルの下りスライスラインのバーディパットが決まって、5バーディ・1ボギーの68。通算3アンダーパーは、首位グループと1打差の4位タイと逆転連覇に視界が開けてきた。
「今日は、スコアを伸ばさないといけないと思って。自分のプレーが出来た」と納得の表情の金谷。明日の最終ラウンドは、「今日のようにスタートダッシュを決めたい。最初から攻めていきます」と語る。「今年も勝つ。それしか考えていません」と、金庚泰以来の連覇への強い周年を見せる。「昨年の成績で、周囲の人からの自分への期待が大きくなっていることは、わかっています。プレッシャーともなりますが、それを乗り越えないと強くなれませんし、それが出来ると自分を信じている」と繰り返す金谷。昨年までのクールさはみじんも感じさせない熱い気持ちを臆することなく表現する姿は、日本アマチャンピオンとしての矜持だろう。プレッシャーという試練を乗り越え、さらに1段髙いステージに足を踏み入れることが出来るか。
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