今年の新垣比菜(興南高校3年)は、好調とはいえないゴルフが続いていた。というよりちょっとしたスランプ状態であったといった方が正しいかもしれない。特にドライバーショットが不振でスコアメイクに苦しんでいた。
そんな中で迎えた本選手権。「高校3年で、これが最後の日本ジュニアなので、優勝したいという気持ちが強くなっている。そういう自覚がありました」ということで第1ラウンドのティーインググラウンドに立った。不調だったドライバーショットが復調し、飛距離も好調時に戻ったことが、プラス思考を目覚めさせてもいた。
「いつもなら、ボギーを叩かないゴルフを意識するのですが、今大会はもっと積極的にバーディを重ねて
いくゴルフをしたいという気持ちになっていました」
その気持ちが、今日のゴルフにはっきりと表れていた。2番で第2打をピンそば30センチにつけて初バーディを奪う。3番ボギー、4番バーディ、6番ボギーと出入りの激しいスコアになったが、この2つのボギーも積極的にピンを攻めてオーバーさせてのもので、新垣から覇気を奪うものではなかった。その後15番ホールまでに4バーディを奪う。
16番でグリーン手前からのアプローチショットを2メートルに寄せた。ここもパーパットを積極的に狙ったがオーバーさせて3パットのダブルボギー。「攻めた結果なので、冷静に受け止められました」と、高いモチベーションをキープしたまま最終18番ホールもバーディで締めて、都合7バーディの量産であった。
「もったいないと思われるかもしれませんが、今の自分には、それよりもたくさんバーディがとれたことがうれしい」と新垣。本来のポテンシャルの高さが発揮されたことに満足気だった。「2日目からは、今日のように積極的に攻めながら、ミスを少なくして、ゴルフの質を高めていきたいです」。
第1ラウンドのゴルフでつかんだ手応えを、より確実なものに、そして堅実さも加味してスコアを伸ばしていく戦いに移る。最後の日本ジュニアで集大成を。新垣の青写真は、できあがった。
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