2020年に開場100周年を迎える名門、鳴尾ゴルフ倶楽部特有の小さい高麗グリーンに各選手ともスコアメイクに苦しんだ。その中で岡村了(東北福祉大学2年)が4バーディ・2ボギーの2アンダーパー68をマークし、第1ラウンドを終えて首位に立った。「パッティングが良かった。チャンスについたところでしっかりと獲れた。ショットもトラブルなく、リズム良く回れた」と満足のいくラウンドだった。この日は10番ホールからのスタート。まず14番で1メートルのバーディパットを沈め、16番ではこの日唯一のパットミスといえる1メートルもないパーパットを外し、ボギーとするが18番でバーディを奪い返した。さらにハーフターンした後半では5、7番とバーディを奪い、一時はスコアを3アンダーパーまで伸ばした。残念ながら8番でボギーを叩いたものの、2アンダーパーでホールアウト。「しぶとく1.5メートルくらいのパットが入ってくれた。練習ラウンドを回った感じではイーブンパーで回れればいい」と思っていただけに、この日は2つ貯金ができたことになる。「アプローチでも52度のウェッジでの転がし」がよく、ピンチをしのいだ。
東北福祉大学といえば偉大な先輩が多く、なかなかリーグ戦のレギュラーのメンバーに選ばれることは難しい。むしろ個人戦のほうが出場するのはたやすい、といえる層の厚さだ。小西健太、永澤翔、伊藤有志、松本将汰、佐藤太地、比嘉一貴といったそうそうたる選手が今年も本選手権に出場している。その先輩たちに「くらいついていきたい」と彼は言う。課題は後半のプレーだ。「3日目、4日目にスコアを崩す」ことが多く、今年の関東学生でも3日目を終わって通算5アンダーパーで首位の小西と2打差の2位につけていたが、最終ラウンドは3オーバーの74を叩き、通算2アンダーパーの10位タイに終わっている。この苦い経験を糧に「最後までしっかりと集中してやりたい」とリベンジを狙っている。
最終的には「アンダーで回っていたい」といい、スコアが伸びない展開ならば4日間でアンダーパーならば優勝も夢ではない。まずは第2ラウンドでもこの好調をキープすることが優勝へ向けて、必須の命題だ。
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