3年連続3回目の日本女子学生ゴルフ選手権出場となる小寺香穂(流通科学大学3年)が、12番ホールで生まれて初めてのホールインワンを達成し、金澤志奈とともに3アンダーパーで首位タイに並んだ。
小寺は、「3度目の出場なので、さすがに緊張もなくスタートできました」と10番からパーセーブで落ち着いたスタートを切る。迎えた12番は、135ヤードのパー3。8番アイアンのティーショットは、「正直、トップ気味で…」と手ごたえはなかったが、ピン手前に着弾するとそのまま高麗グリーンの芝目に乗って、球はホールに消えた。続く13番でも50ヤードのアプローチをウェッジであわやチップイン・イーグルという見事なショットを見せてバーディを決めて見せる。小寺は、2ホールで3つスコアを伸ばして、一気に波に乗るかと思われたが、「ホールインワンにバーディで…いきなり緊張してしまって。足が震えました」と、苦笑い。その影響か、15番(パー3)でティーショットを右バンカーに打ち込んでしまってボギーを叩いてしまう。
このままズルズルとスコアを落としかねない展開にも、小寺に焦りはなかった。「練習ラウンドで、鳴尾ゴルフ倶楽部は耐えるゴルフしかないと思っていました」という覚悟が実を結んだのか、16番では160ヤードの2打目を6番アイアンで1.5メートルにつけてバーディ。18番(パー5)もしっかりとスコアを伸ばして、前半で4つの貯金をものにした。
「鳴尾ゴルフ倶楽部は、難しいですから…パープレーでいいと思っていた」小寺は、苦手という1番からの9ホールのプレーもピンチをしのぎ、5番でボギーを叩いたものの、7番(パー5)でバーディを奪い返す。最終9番はボギーフィニッシュとしてしまったが、1イーグル・4バーディ・3ボギーの69は、勇躍首位タイに躍り出る会心の1日となった。
地元関西で生まれ、ゴルフを続けてきた小寺は、「鳴尾ゴルフ倶楽部で日本女子学生が開催されるのを楽しみにしていた」という。直前の関西女子学生では、「最悪でした」と8位に終わったが、目標にしていた本選手権に向けてショットの調子も上向き、「自分のコンディションも良くなってきて…」とひそかにチャンスをうかがっていたという。「今日は出来過ぎです」と首位タイスタートに、はにかむ小寺だが、「せっかく良いスタートを切れましたし、優勝したい」と過去2度の出場では苦戦を強いられていた本選手権での初優勝に照準を定めた。
地元関西での初戴冠がなるか。明日の第2ラウンドで、同年代でトップの実力を誇る金澤志奈、歴代優勝者の松田唯里、関東女子学生を制した高久あずさら強豪を突き放して初優勝に王手をかけたいところだ。
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