今年の関西女子学生ゴルフ選手権チャンピオンの松田なつき(同志社大学3年)は、地元関西で開催される本選手権に、どうしても勝ちたかった。もちろん、地元に錦を飾りたいという思いもあるが、それよりも、同志社大学でコーチを務める水巻善典プロの所属コースである鳴尾ゴルフ倶楽部でのこの大会で優勝することに意味があった。「水巻コーチからは、鳴尾ゴルフ倶楽部で日本女子学生開催が決まった時から、頑張ってほしいといわれていた」と同志社大学勢への期待の言葉を受けていただけに、「3位という成績は、残せましたけど…」と好成績にも言葉の切れは悪くなる。
首位の金澤とは6打差をつけられての最終ラウンドは、「攻めないといけない」と気合を入れ直していたものの、朝の練習から、どうにも調子が上がらなかったという。松田の武器であるアイアンショットの当たりが悪く、さらには、「2~3メートルのチャンスを全く決められなかった」と前半の1オーバーパーを悔やむ。「ショットメーカーの自分が、この調子の悪さで、前半を耐えきることが出来たのは、自分を褒めてもいいかな」と、自分自身を納得させようとしていたが、後半1バーディ・3ボギーと2つスコアを落としてしまっての終戦に、「水巻コーチからの言葉もあって、良い成績を出したいと思っていましたが…」と、頂点との差を縮められなかった自分を責めてしまう。
大学卒業までは、あと1年。もう一度チャンスがあるかもしれないが、「来年のことはわかりません。自分は今年が最後の日本女子学生かも知れないと思っています」と、この悔しさを晴らせず終わるかもしれない。水巻コーチからの期待に応えられなかったこと、最後かもしれないチャンスをつかめなかったことが、最後まで松田が心を晴らすことが出来たかった理由だろう。
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