大混戦となった本選手権で、1打差の2位タイに入った井上幸伸(土佐ユートピア)と冨田久三(静ヒルズ)は、ともに自己最高順位を更新し、満足げな表情を浮かべていた。
5打差の19位タイで最終ラウンドをスタートした井上は、前半2バーディ・1ボギーの1アンダーパーとスコアを伸ばす。後半10、11番と連続ボギーとしてしまうが、「やっと寄せの感覚がよくなった」と、その後はセカンドショットをミスしてもアプローチショットでパーを積み重ねていく。そして、迎えた最終18番(パー5)。「絶対に入れる」と井上の思いがこもった5メートルのバーディパットは、ジャストタッチでホールに消えて見事にバーディフィニッシュ。井
上は、通算5オーバーパーで本選手権を終えた。
後続組のスコアが伸び悩み、2位タイという結果に「第1ラウンドが悪かったので、10位以内を目指して1つでも上にいきたいと思って今日はやっていましたので、よかったです」と嬉しさを噛みしめていた。井上自身、本選手権では2014の5位が最高位だっただけに、今回の入賞に満足した様子だった。
一方の冨田は、首位と3打差の8位タイから逆転優勝を狙ったが、3バーディ・5ボギーと2つスコアを落とし、あと一歩届かず終戦となった。「3パット3回が効いたかな」と高速グリーンに最後まで対応が出来なかったことを悔やんでいた。またショットの調子も「16番のパー3でもダフッてしまって。まだまだです」と良いショットと悪いショットの差があったと振り返る。冨田は、勝負所でのメンタル面強化を今後の課題にあげた。
また、この日は、ディフェンディングチャンピオンの権純福らとのラウンド。プレーする姿に「そつが無い」と感銘を受けた。「今日は3位に入れればいいと思ってやっていました。今日一緒にまわった方達が70歳近くで頑張っている姿を見て、僕も体を大切にして長くゴルフができればいいかなと思いました」と話した。ミッドシニアルーキーで臨んだ本大会に冨田にとって最高の結果になったようだ。
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