19位タイからスタートした榎 隆則が強風吹き荒れるタフなコンディションの中、3バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの72にスコアをまとめ、一気に優勝争いに絡んできた。
アイアンショット、アプローチ、パター全てが安定していた。「ラインが出て、ホールを重ねるにつれて距離感も合ってきたし、何より曲がらなかったですね。アプローチも寄っていたし、パターも2番だけショートしましたけど言う事なしでした」と納得の表情でこの日のプレーを振り返る。
鍵になったのは、前半をパープレーで折り返し迎えた11番ホール。ティーショットを左に引っ掛け、出すだけの大ピンチ。しかし、残り110ヤードのサードショットをピッチングウェッジで振り切ったショットは、50㎝につけるスーパーショット。ここでのパーが流れを呼び、続く12番ホールでは、6番アイアンで左奥4メートルにつけ、バーディを奪った。
順調にスコアを積み重ねていた榎だったが、落とし穴も待ち構えていた。16番ホールで、セカンドショットをまさかの誤球。2打罰が科せられダブルボギーとなってしまった。
「同じボールだし、お互いに勘違いしてしまったんですよね。相当ショックでしたけど、くじけちゃいけない、キレてはいけないと思いながら残り2ホールやっていました」と集中を切らさずに17番と18番をパーセーブしたことは間違いなく明日に繋がるはずだ。
明日の最終ラウンド、1打差で首位をいく大友富雄を追いかける。
「今日のゴルフが出来ればいいなと思います。ショットが好調なので、縦の距離を合わせる事が出来ればいいと思いますし、時折攻めたりもしながら戦いたいですね。今日、あんなことがあったから明日は良い事があるかな」
榎にとって良い事、それはもちろん本選手権での初めての栄冠だ。
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