「今、夢の中にいる気持ちです。あわよくばというのはあり、チャレンジしようと思いましたが優勝が実現出来て、嬉しい気持ちでいっぱいです」優勝を決めた直後のインタビューで発した言葉だった。
苦しい優勝だっただけに“夢の中”とは咄嗟に出た言葉なのかもしれない。厳しいコンディションということもあり、2バーディ・6ボギーの「76」我慢のゴルフだった。
「最後まで攻める気持ちを持ち続けました。もちろん、プレーでは守ったホールもありましたけど、その気持ちだけは持ち続けようと思いながらやっていましたね」
最後まで我慢のゴルフを続ける事が出来たのには榎の強い心にあった。
優勝へのキーポイントとなったの
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は4番ホール。出だし1番ホールでいきなりボギーを叩き、嫌な雰囲気が漂い始めたところでの会心のバーディ。これで流れが変わった。
「スタートでのボギーであわててしまった気持ちを4番のバーディが落ち着きと自信を取り戻させてくれました。ショットの調子は昨日に引き続き良かったので、あのバーディは大きかったですね」
優勝争いの緊張からか、序盤は自分のゴルフが出来ない事もあった。それでも自らのゴルフを信じ抜いたことが結果につながった。
「今までは、回りの方に対しての気後れ感がありましたけど、今回は自信を持って気後れせずに落ち着いて出来ました。それも1年前から行っているトレーニングの成果があってのことだと思います」体幹や足腰を鍛えた事により、持久力がついたという。後半もバーディを奪い最終的に3日間粘って戦う事が出来たのはこの持久力が大きかっただろう。
第2ラウンドでは、16番ホールで、誤球で2打罰を科せられた。その際、最終ラウンドはいい事があるかなと話していた榎だったが、まさにその通りの形となった。
「こんな良い事が起きるなんてね。最高の結果です」
優勝という最高の結果を得たが、本人にとっては思いがけないご褒美も榎には与えられる。この大会で上位3名に入った事で、2017年の日本シニアオープンゴルフ選手権の出場資格が与えられる可能性がある。榎にとって、念願の日本シニアオープン初出場になる。
「夢だったので、出られるという事であれば本当に嬉しいです。思いっきり楽しみたいなと思いますね」
今後の目標について聞いてみると、「もう達成してしまったからな~」と笑いながら話すもすぐさま切り替えた。
「来月出場する日本ミッドアマチュアゴルフ選手権ですかね。私の力では優勝とは言えませんけど、5位以内を目指したいですね。」
日本シニアゴルフ選手権を制した勢いで次はミッドアマでの活躍を狙う。
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