ホールアウトした谷口徹は、開口一番で「もうヘロヘロです」と苦笑いを見せた。今年48歳。シニア入りも目前に控えるベテランだが、勝負強さは輝きを失わない。第1ラウンドで6バーディ・1ボギーの5アンダーパーをマークして池田と2打差の2位タイにつけると、第2ラウンドも前半の13、18番でバーディ。後半に入り、2番のバーディで本選出場は安泰かと思われた7番(パー3)でダブルボギーを叩いたが、最終18番でこの日2度目のチップインを決めてバーディフィニッシュ。谷口は通算7アンダーパーで見事2位を死守して本選出場を決めた。
日本で開催される最終予選には9回目の出場で6度の通過と、部類の強さを見せる。毎年
のように、出場を悩んでいるが、「もういいかと思うときもあるんだけれど、1週間くらい前に出ると決めて。簡単ではないのはわかっているけれど、出る。なぜかわからないけど」と笑いを誘うが、自分の向上心の発露が出場への後押しをするのだろう。「若い人が出ないといけない。全米オープンがどんなものかは、出場しないと分からない。出た人にしかわからないかもしれないけれど。全米オープンは、他のメジャーとは違う良さがある」と若手の奮起を促すが、自らその道を譲るつもりは毛頭ない。高みを目指し続けるモチベーションが、通算10度目の全米オープンの道を開いた。
谷口は、言葉ではもちろんのこと、その背なかでも若手を刺激するプレーヤーであり続ける。
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