東北福祉大学を2014年春に卒業し、その夏にプロテストに合格した佐藤絵美が全米女子オープンへの出場権を獲得した。佐藤は松山英樹と同級生で、2012年の3年生の時に日本女子学生で優勝し、このときは男子の日本学生には松山が優勝して、「東北福祉大アベックV」を達成している。大学4年では女子の主将を務め、男子の主将を務めた松山とともにチームをまとめた。
もともと東北高校の先輩である、宮里藍にあこがれ、アメリカで活躍している姿を見て、アメリカでのプレーを夢見ていた。その夢を実力で勝ちとった。この日はショットが好調で第1ラウンド、第2ラウンドともに2アンダー70でまとめ、通算4アンダーパーでやはり先輩の原江里菜と並んで1位タイで通過した。しかし、「最後の9ホールは体力勝負でした。思うように体が動かなかった。アプローチとパットに救われました」と苦しんだ。スタート前から雨が断続的に降り、午後になってもときおり強く降り、選手には過酷なラウンドとなった。
それでも踏ん張れた理由には、先輩の佐伯三貴のアドバイスがあった。以前から一緒に練習ラウンドを回りたいと思っていたが、佐伯が昨年故障のため休んでいたため、実現できなかった。その佐伯が今年のフジサンケイレディスから復帰し、念願がかなった。「お願いして一緒に練習ラウンドをしていただき、アドバイスをもらいました」と早速、効果が表れた。小さいころからインパクトで顔を横に寝るような形になり、ショットが右にも左にも曲がるミスが多かった。そこでアドレスでボールを左目で見ること、背筋を伸ばす感じで顎を上げるように言われ、その点を意識しだしてからショットが良くなった。
この日はやはり高校の先輩の有村智恵と回り、多くの高校、大学の先輩たちに支えられてきた感がある。アメリカ本土に行ったことはなく、今回が初めてだ。「アメリカの舞台に立つことだけでも、自分にとって初めてのことなので、すごくワクワクします。自分の力を発揮して、どこまでできるのか、実力がどれくらい通用するのか試したい」と期待に胸が膨らむ。
佐藤の初陣に注目したい。
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