混戦の幕開けとなった今年の日本女子アマチュアゴルフ選手権。2013年大会から5年連続出場の小滝水音(マナGC)と3年連続出場の小西瑞穂(東北福祉大)がともに69でホールアウト。首位の新垣と2打差の4位タイグループに名を連ね、初優勝に好スタートを切った。
ストロークプレーとマッチプレーで行われていた2015年大会でのベスト32が自身最高成績の小滝は、前半をスコアカード通りのパープレーで終える。「パーオンはするんですが、ずっと2パットのパーという感じ」とストレスが溜まるプレーに10番(パー5)で初めてスコアが動いたのにボギーと「ヤバイ」と焦りが出たという。
それでも直後の11番で165
ヤードのセカンドショットを5番アイアンで「いい手応えで打てた」と1.5メートルにつけてバーディに繋げて「悪い流れを断ち切れた」と、続く12番も連続バーディでスコアを伸ばす。
13番(パー3)ではティーショットを右バンカーに打ち込んだものの、20ヤードのバンカーショットを寄せてパーをセーブ。集中力を切らさず、ピンチを切り抜けたことが14番での「思った通りのラインだった」と会心のバーディに繋がった。小滝は最終ホールもバーディで締めて4バーディ・1ボギーの69、4位タイのスタートに「昨年大会はカットに終わったので、今年は4日間プレーして、なるべく上位に食い込めたら」と、笑顔を見せた。
一方の小西も4バーディ・1ボギーの内容に満足げな笑みを見せた。出だしから「ドライバーがすごく安定して思ったところに打てていた」という小西。
先週まで北海道での試合に出場して奈良県に移動したのもあって「北海道は肌寒くて…奈良に来てからは熱くてしょうがない。その気温差からかクラブが振れているのか」と先週からは1番手ほど伸びた飛距離に戸惑いもあったが、帯同キャディとなった同じ大学のゴルフ部の仲間が「うまく距離と番手のアドバイスをくれた」と、帯同キャディについてくれたゴルフ部の仲間のアシストに感謝しきりだった。
この日の初バーディは9番。11メートルのフックラインを決めて波に乗ると、11番では残り160ヤードの2打目を5番アイアンで70センチにつけてバーディ。「今日、グリーンを外したのは1ホールだけ」という15番でボギーを喫したが、16番で8メートルの下りスライスラインを決めてバンスバックすると、17番も7メートルのフックラインを読み切って連続バーディ。「今日はパープレーでいいかなと思っていたので、このスコアは満足です」と笑顔も弾ける。
小西は2015年大会でベスト32、昨年大会は16位タイの成績を残しているが、「昨年は最終ラウンドでオーバーパーを叩いてしまったのが、もったいなかった」と悔しさが募っている。「日本女子アマは1番大事な試合」と思い入れの強い大会だが、「でも、意気込み過ぎないように。1ホールずつパーを積み重ねていくことを考えていた」と冷静さも失わなかったのが好スコアに繋がった。
もう一つ、好スタートの遠因であろうことがある。先週の全米オープンで2位入賞の松山英樹が4月に仙台に帰ってきた時、「アプローチを教えてもらいました。それからはグリーンを外しても大丈夫と余裕ができました」と秘話を披露してくれた。海外メジャーで活躍する偉大な先輩に朗報を届けることが出来るか。明日の小西のプレーに注目だ。
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