JGA女子ナショナルチームメンバーの佐渡山理莉(オリオン嵐山)が1打差2位タイのスタートを切った。今年も、上位をうかがえそうな絶好のスタートである。
「でも、上位をうかがうというのではダメなんです」
一昨年大会がベスト4、昨年大会が4位。ここ2年、優勝を狙える位置にいながら、そこには届かなかった。自分に何が足りないのか。じっくり振り返って気づかされたのは“出遅れ”と“詰めの甘さ”だった。第1ラウンドにつまづき、2日目以降それを取り戻そうと攻めすぎるゴルフになってしまったり、優勝争いの中で安全にプレーすることに気持ちが偏って消極的になってしまったり…。息切れと、ピンに向かう気持ちの薄
れが目指すゴールにつながらない―というのが、自身を振り返っての分析だった。
今年は、「第1ラウンドからしっかりコースマネジメントしてスコアを作っていくこと。スタートダッシュをかけられるように、最初から好スコアにまとめて、早く自分のペースを作ること」をテーマに、本選手権に臨んでいるという。上位をうかがうのではなく、もっと明確に優勝を意識して、プレーを展開していく。佐渡山は、そのことを言いたかったのである。10番からスタートして、16番でボギーが先行したものの、続く17番から3連続バーディ。さらに6番(パー5)では80ヤードの第3打を1.5メートルに。8番(パー3)は8番アイアンで1.2メートルにつけて4アンダーパーにまとめた。
「毎日3アンダーパーを目標にプレーして、4日間で12アンダーパー。自分の中では、そこにひとつのラインを引き、結果(優勝)につなげたい」
JGAナショナルチームで経験している海外での試合で「かなり難しいシチュエーションのアプロートショットも、以前より慌てずに処理できるようになっている実感があります。ショートゲームが向上すれば、ショットにも余裕が生まれます。今なら、優勝を意識してのゴルフを展開してもいいんじゃないか…と、思えるようになってきました」。
今年は、佐渡山の目の色が変わってきている。
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