今春、高校を卒業し、プロテスト受験で2次まで進んでいる新垣比菜。この時点では、本選手権に出場するかどうか迷っていた。それよりも、最終プロテストからプロ生活に向けての準備をすることの方が大切なのではないか。
そんな思いもあっての迷いだった。それが出場に向けて気持ちが傾いたのは、「まだ、アマチュアとしてやり残していることがある」という心残りからであった。
「日本ジュニア、全国高校選手権には勝っていますが、できれば日本女子アマのタイトルもつかんで、アマチュア競技を卒業したくなったのです。幸いシードもあったので、最後のアマチュア競技として戦おうと決めました」。
ゴルフの調子はいい。い
や、良くなった、という方が正しいだろう。実は5月まで不振が続いていた。「スランプ状態でショットは曲がるし、パッティングも決まらない」。この状態から、どうやって脱却したのだろう。
「何をどうするかというより、とにかく練習するしかないと思って、ひたすらボールを打ち、ラウンドを重ねました。もちろん、その中で試行錯誤はありましたが、いいときの自分のタイミングを見つけて、それが何度でも繰り返せるようにと、それを追い続けていました」。
だから、なにがきっかけになったのかは本人も「わからない」と戸惑うばかりなのだが、練習を続けているうちに、好調さが戻ってきたのだそうだ。
10番からスタートして15番までパーを続けた後の16番は、197ヤードのパー3パー3。4番ユーティリティーを手にしてのティーショットがピン横3メートルに寄った。これを沈めて初バーディを奪うと、18番(パー5)は2オンさせて2パット。さらに後半にターンしての1番(パー5)はグリーン右サイドのバンカーから70センチに寄せて連続バーディを奪った。この後も、危なげないプレーを続け、4番、9番と2バーディを加えて計5バーディでボギーなしの67。堂々の単独トップでのホールアウトだった。
ショット、パットの好調さに加えて、好スコアを叩き出した要因に新垣が挙げたのは「昨年までと違って、肩の力が抜けているというか、(勝ちたいという気持ちを)入れ込み過ぎていないというか、冷静に自分のゴルフを続けられたことだと思います」。
取り戻した好調なゴルフ。そこに意識を集中していけば、結果は自ずとついてくる。新垣は、そんな心境で最後の日本女子アマに臨んでいる。
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