雨の中スタートして12番までに5バーディ。新垣比菜(カヌチャG)が快進撃を続けた。13番からはボギー、バーディを繰り返して、それ以上スコアを伸ばせなかったものの連日の67でただひとり2桁アンダーパーに乗せ、独走態勢を築いた。2メートル以内につけたのが5ホール、3メートル以内が2ホール。このデータが、ショットの高精度と安定性を物語っている。
「本当は、雨の日のプレーは苦手なんです」という。「グリップが滑ってとんでもないショットが飛び出すのではないか…と不安になって強く握り過ぎてしまったり、そのために肩に力が入ってしまったりして、スウィングのリズムを崩すパターンが多いんです」。
この日
、スタート前に自分に言い聞かせていたのも、そこだった。「絶対に力んじゃダメ!リラックスしてボールに向かうこと」。ラウンドに入ってからは、グローブを濡らさないように気をつけていた。プレー中のほどんどは雨だったというのに、1枚のグローブだけで18ホールを回り切ってしまった。
「2日間で10アンダーパー。満足できる結果であり、内容です。このゴルフが最後まで続けられれば最高なんですけど、4日間のうちには、どこかで崩れる日があるかもしれません。そのときに慌てないように、焦らず、落ち着いてプレーできるように気をつけたいと思います」。
最後の日本女子アマとなるであろう今大会。新垣の目標は、優勝に絞られているが、「勝ちたいという気持ちが空回りしないように、とにかく自分のゴルフをすることに集中して、優勝に向かって気持ちを入れ込みすぎないようにしています。第1ラウンドにプレーにひたむきになれたことで、気持ちばかりが先走る状態にはならないでいられるという自分がいることに安心しました。気持ちのバランスもとれているように感じられていることがうれしいです」。
最後の日本女子アマを優勝で飾る。それは、結果。今大会の新垣は、そうなるようにひたすら自分と向き合っている。
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