ムービングデーの第3ラウンド。多くの選手は優勝争いに加わるために、攻めのプレーに転じるのだが、安田祐香(洲本GC)は、「最終ラウンドこそが、攻めのゴルフが必要。第3ラウンドは、スコアを崩さないように耐えて我慢のゴルフがしたい」と、考えを異にする。そんな覚悟を秘めての第3ラウンドのプレーは、言葉は同じ我慢でも、その意味するところは全く違っていた。
「チャンスはありました」と前半から新垣を追い詰める展開になりかけたが、いかんせんパットが決まらない。4番では1メートルのチャンスをものに出来ず、地団駄を踏んだが、直後の5番(パー5)で残り140ヤードのセカンドショットを8番アイアンで1メートルに
つけて、この日初バーディ。7番でも3メートルを決めて前半で2つスコアを伸ばす。10番(パー5)でもバーディを奪った安田だったが、再び我慢の時を迎える。
15番でグリーン奥のカラーから3パットでこの日初めてのボギーを叩いてしまったのだ。それでも、16番(パー3)で7メートルを入れかえしてバウンスバックした安田は、4バーディ・3ボギーの69でホールアウトに「自分が思っていたよりも、良いスコアでした」と笑顔を見せた。
安田が覚悟していた我慢はピンチを凌いでのプレーだったろう。それが今日は、チャンスを決められなくても最後まで集中力を切らさない我慢に変わっていた。同じ言葉でも質が異なるプレーにも耐え抜いた安田。今日のラウンドは思惑通りにいった。明日は「スコアを伸ばさないと優勝争いに加われない大事なラウンド」と位置づけている18ホールが待っている。
「ホールロケーションも難しい位置になるでしょうが、しぶとく3メートルぐらいのパットを決めて、無理をしないゴルフで67を目指したい」。2日連続の有言実行がなれば、逆転の可能性は残っている。「1番でバーディを獲って、4番までをアンダーパーでプレーできれば…」そんな青写真も今日の安田ならリアルなものにしそうな予感がする。
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