通算11アンダーパーで2位に4打差をつけて初優勝に向けて最後の18ホールに臨んだ新垣比菜(カヌチャG)だったが、2番でボギーが先行するなど、昨日からの不調を引きずって前半からスコアを落としていった。
結局、新垣は3つスコアを落として通算8アンダーパーの3位タイ。初優勝を目前にしながら、思わぬ結果に茫然自失となっていた。
新垣のショットの乱れを象徴するシーンがあった。6番(パー5)でのことだ。ドライバーのティーショットが引っ掛かり、左林方向に曲がっていった。奥にはOB杭が並んでいる。「暫定球を打ちます」と宣して再びドライバーを一閃させると、今度は左サイドを警戒するあまり、プッシュアウ
トとなって右のOBラインを越えていった。「暫定球を打ちます」。これは、セーフティーゾーンをとらえて、ようやくティーインググラウンドから離れられた。第2打地点にいってみると、最初に打った球が林に近いラフに止まっていてくれた。胸をなでおろして第2打に臨んだが、ボールはまたもや左ラフに。第3打も引っ掛かりグリーン左のバンカーに。ピンが近く、しかもバンカーから脱出させても下りラインで止まらない。4メートルほどカップをオーバーしてパーセーブできなかった。
続く7番でのドライバーショットは、またもや左に飛び出してバンカーに。ここからのショットをグリーンオーバーさせて連続ボギーとなった。8番ホールに向かう道。新垣は、キャディをつとめる父親に訴えていた。
「ボールを打つのが怖い」。
第1ラウンド、第2ラウンドと67を連発し、そのまま独走するのではないかとさえ思われた展開。第3ラウンドは71と足踏みした。そして、最終ラウンドは、ショットの乱れでパーセーブもままならず「つらく、悲しい1日になってしまいました。
ショックです。誰かに追い上げられるとか、(佐渡山)理莉に抜かれるとかいう以前の問題を抱えてしまって、それに意識を奪われてしまいました。最後まで修正もきかず、“こんなことで、プロテストは大丈夫なのだろうか…”と心配になりました。ボールを打つのが怖いなんて、どうなっているのでしょう。どうなったのでしょう、私は」。
7月25日にはプロテストのファイナルが待ち構えている。新垣は、そこに向けての立て直しが急務になった。
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