沖縄の先輩・新垣比菜と最終ラウンド、最終組での対決。前夜は緊張のあまり「なかなか寝付けませんでした」と、佐渡山理莉(オリオン嵐山GC)は、もらしていた。その直接対決、佐渡山は安定したショットで2打差を追い上げていった。5番でピン手前4メートルのパットを沈めて初バーディを奪って1打差。続く6番では新垣がボギーを叩いて両者が並んだ。さらに佐渡山は7番でも第2打を2メートルにつけるバーディで、先輩を抜き去った。その後、13、16番でボギーを叩くも、新垣に並ばれることはなかった。
17番ホールに向かう途中で、前の組の情報が入ってきた。安田祐香が、なんと16番まで通算13アンダーパーにまでスコアを
伸ばしているというではないか。この時点で佐渡山は通算9アンダーパー。新垣は通算8アンダーパー。最終組で直接対決を展開していた両選手は、思わず声を掛け合っていた。
「それじゃあ、私は残り2ホールでイーグルを連発しないとチャンスがなさそうです」(佐渡山)
「私は、イーグル、アルバトロスかぁ…。よし、がんばろう」
そこには、戸惑いと、驚き、そして、諦めに似た二人の表情があった。
17番。佐渡山の第2打はバーディチャンスについたものの、チップイン・イーグルはならなかった。バーディパットも外して、万事休すだった。最終18番(パー5)を2オンさせ、意地のイーグルを奪ってみせたものの、前の組のスコアを知るのが遅すぎた。
「まさか、っていう感じでした。後半に入ってスコアを落としてしまったので、だれかに並ばれているかもしれないとは思っていましたが、あそこまで(安田が)スコアを伸ばしているとは考えてもいませんでしたから」。
昨年大会につづいての最終ラウンド最終組でのプレー。「昨年はスコアを崩してしまいました。でも、今年は最後にイーグルが決まってアンダーパーで終われたので成長できたかな…と思います。次は、最後のバックナインで伸ばせるようにしたい。新たな課題が見つかりました」。
最終組対決は制したものの、佐渡山の表情に、最後まで喜色は浮かんでこなかった。
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