この日、67の5アンダーパーで2位タイとなったのは、片岡尚之(シェイクスピア)だった。2年前の日本アマで、まだあどけない顔をしていた彼は、いま東北福祉大学の2年生になっている。北海道出身で、大学への進路を模索していた頃だった。そのとき高校生でベスト32と健闘していた。けれども、順風満帆とはいかなかった。腰の故障で、半年近く競技はもちろんのこと、クラブをしっかりと振れる状態ではなかった。その腰のケアをしつつ保護する筋力をつけ、その合間にようやくアプローチや苦手なバンカー練習、そしてパッティングの練習ができるようになった。そしてコーチに「このままのスウィングだと腰に負担がかかるので、スウィングをなおされて、それが、よかったのだと思います。飛距離も10〜20ヤードは出るようになりましたしね」と語る。逆Cフィニッシュのような、いわばジュニアゴルファー特有のスイングから、大人のスウィングに変わったのだろう。
「故障明けということもあって、スタート(10番から)から大きな緊張感もなく気楽な感じでスタートできたんです。そしたら、いきなりバーディでしたから、ホッとしたというか、なんというか」12番でボギーとしたものの、慌てずにプレーして、15、16、そして後半の1、2番とバーディが続いた。4番、ボギー。それでも、7,8番とバーディを奪って5アンダーパー。
日本アマは、2年ぶりの出場。「ですから手探り状態で回ったのですが、(療養中に練習した)アプローチ、パッティングでうまくカバーできました」と嬉しそうに語った。
ところで、髪の毛が随分短いね? と聞くと「1ヶ月ほど前に坊主にしたんです。いやされたんです(笑)」と恥ずかしそうに言った。同大学ゴルフ部の規則で、たとえば寝坊したりの痛恨のミスをすると、丸刈りをする取り決めになっているらしい。丸刈りはどうやら2回目だった。「いや、自分が悪いわけですから」と反省するも「もうちょっと伸びれば、好きなヘアースタイルにできるんですけどね」と、笑ってみせた。
2位タイでのスタート。でも、本人は「いまは、1打1打、しっかりと丁寧にやっていくだけだと思っています」と語った。
|