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Championship Reports
競技報告
【長い1日。首位スタートの水上は貯金を使い果たし通算イーブンパーに】
第2日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Yoshitaka Watanabe
台風一過といえば、そのあとは抜けるような青空を誰もが想像するけれど、昨夜半から降り続ける大雨の影響で広島、鳥取県など近隣は、大雨注意報がでた。それでも広島カンツリー倶楽部・八本松コース周辺は、まだその被害が少なかった。それでも、コースは、バンカーに水が溜まり、そこかしこで水溜りになる始末だった。
それでも定刻7時にスタートしたものの、8時27分に中断。そこからが長かった。
雨脚は強くなる一方で、そのうち雷雲が見え隠れしてきた。
午前組の選手たちは、ほぼコース内でプレーしていた。その中断で全員が引き上げて、間もなく大会本部からアナウンスが流れた。
「競技は、少なくとも13時までは再開しま
せん。とは言っても、13時から再開できるという可能性は現状ではありません」その間、雷雲が見え隠れしているために練習場での打球練習ができないというアナウンスだった。

第1ラウンドを6アンダーパーで首位となった水上晃男(袖ヶ浦)は、第2ラウンドでは午前組だった。10番から、7時49分スタートだった。ちょうど水上が3ホール目の「12番のグリーンエッジのあたりで、サイレンが鳴った」という。

それからが長かった。8時27分から待つこと5時間33分。ただひらすら空を眺めるしかない時間が過ぎていく。もちろん、スタートすらできない選手が、半分以上。144名出場だから、72名以上の選手はクラブハウスにいたことになる。中断して、選手たちは雨に濡れたシャツなどを着替える。ようやく目処が立ったのは昼過ぎだった。
「14時から再開します」というアナウンスで、選手たちは、もう一度ストレッチをし、モチベーションを高めなくてはいけない。
「こういうことがあると、年寄りは、辛いですね」と水上は言った。中断前のプレーでも悪条件で体が硬くなる。中断後、再度のスタート時間に合わせてストレッチをする。それでも、万全には戻らない。

午前組の選手が少しずつホールアウトしてきたのは、すでに17時を回っていた。練習グリーンやクラブハウス前にはこれからスタートする選手たちで溢れていた。なんと、午後組のトップスタートの時間は、17時だった。そして最終組のスタートが18時43分。スタート時間を刻まなければ競技は始まらない。
水上がホールアウトしてインタビューを受けようとするとき、そのすれ違いざまにベテラン高橋雅也が「もう終わったの? 僕は18時21分スタートだよ」と、全英オープン以外では、まず聴くことのない会話を聞いてしまった。

水上は、この日78。6アンダーパーの貯金を全て使い果たしてしまった。命綱の「寄せワンがうまくいかなかった」という。

18時43分。ようやく第2ラウンドのスタートが、すべて終わった。日没までプレーして翌日サスペンデッドとなる。
太陽が、コースの林の木々の先端に消えようとしている。西の空は茜色に染まり始めた。明日は晴れる、という微かな希望の色彩だった。

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