前日2アンダーパー71で回り、首位スタートを切った平本世中(厚木北高校3年)。第2ラウンドは10番ホールからスタートしたが、11番ボギー、12番は3パットでボギー、と苦しい展開となった。14番のパー5でバーディを獲り返すも続く15番でまたも3パットのボギーと波に乗れない。「ボギーが先行してどうなるかと思った。もう2オーバーパーで上がれればいい」と半ば開き直ると16番で「5メートルのバーディパットが入って救われた。トップを意識せずできることをしよう」と立ち直った。ハーフターンしてからは6、8番でバーディを奪い、この日は結局4バーディ・3ボギーの1アンダーパー70にまとめ、通算3アンダーで首位をキ
ープした。
2位とは1打差だが優勝に向けて絶好のチャンスがやってきた。前日の結果を見て、友人、知人から応援メールや連絡が「たくさん来て力になった。その分プレッシャーになったけれども、2日目なので緊張はしなかった」という。プレーの内容についても「昨日はたまたま、今日のほうがいいプレーをしていた」とスコアは前日のほうが良かったにもかかわらず、第2ラウンドのプレーに手ごたえを感じている様子だ。
しかし、彼には苦い経験がある。今年の全国高等学校ゴルフ選手権春季大会では、2日目を終わって首位と2打差の3位につけ、優勝のチャンスがあった。ところが最終ラウンドは「自分のプレーができず、テンパって守りのゴルフをしてしまい、それが裏目裏目に出た」と79と大きく崩れ、結局23位タイに終わった。かつて球聖とうたわれ、年間グランドスラムを達成したボビー・ジョーンズは「勝った試合では何も学んだことはない。負けた試合からこそ多くのことを学んだ」といった。平本も「大たたきをして学んだことを活かせればいい。明日は自分が1位と思わず回れればいいかな」と苦い経験を糧に春のリベンジを誓う。
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