河本結(日本体育大学1年)は、1オーバーパーで最終18番ホールを迎えていた。前半を2バーディ・1ボギーの1アンダーパー35でターンし、10番でバーディを奪い、2アンダーパーにしたまではよかった。ところが、13、15、17番とボギーを叩き、この時点で1オーバーパーに後退していた。
18番の第2打は、残り120ヤードを9番アイアンで打った。ボールの落下地点までは見えず、グリーンサイドのギャラリーから拍手が上がったので、ピンに寄ったと思った。
「1メートルぐらいについていたら嫌だな」と思っていた。後半に入って1メートルのパットを4回、外していた。「どうなるんだろう」と不安に襲われていた。それ
ゆえに「いっそ3メートルぐらい離れている方がいい」とさえ思った。その方が思い切ってパットすることができる。グリーンに上がってみると、ボールはなんとカップインしていた。イーグルだった。これでこの日は1アンダーパー71でホールアウトした。「明日につながる」望外のイーグルだった。
河本は勝みなみ、畑岡奈紗らと同い年だ。ほかにも新垣比菜、小祝さくら、吉本ひかるなどツアーでも実績を残している選手が揃っている。自分にはまだ彼女らと戦っていける実力が備わっていないと思い、松山聖陵高校を今春卒業後日本体育大学に進学した。プロテストには来年挑戦する予定だ。
今年はアマチュア競技、学生の試合を中心に出場している。7月の関東女子学生は、プレーオフの末、小西瑞穂に敗れた。それだけに本選手権では「優勝したい」という気持ちが強すぎて、この日は焦りすら感じていた。第1ラウンドを終えて、ようやく落ち着きを取り戻した感がある。「明日は自分のプレーをして、ゴルフを愉しみたい」と気合が空回りしないように気持ちに余裕を持たせてプレーに挑みたい。「最終ラウンドに最終組で回って、優勝争いをしたい」という目標の為に、自然体で臨む。
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