昨日の第1ラウンドとは打って変わって穏やかな風、絶好のゴルフ日和となった最終ラウンド。
イーブンパーで単独首位に立った竹原昌美はスタートホールの1番でまさかのダブルボギー発進を喫した。セカンドショットでグリーンを捉えられず、3打目のアプローチをミス。4オン2パットという出だしだった。2番でも追い打ちをかけるかのようにダブルボギー。「悪い癖が出てしまった。正直、諦めた。もう終わったと思った」。その後は、これ以上叩かないように、とにかくパーを積み上げて70台で回りたいと作戦変更。3番からはパーとの闘いが続いたが、6番では1.5メートルのパットを沈めてバーディ。しかし、7番では更なる落とし穴が
待っていた。ティーショットをバンカーに入れ、セカンドショットがまさかのトップでグリーンオーバーしてしまう。木の下に止まってしまったボールは、3打目で付近に脱出するだけとなり、4オン2パットのトリプルボーギ―を叩いてしまう。それでも気持ちが切れなかった竹原は、次の8番で3メートルのバーディパットを沈めて、前半を41で折り返した。
後半に入って、10番と13番でボギーとしてしまうが、それ以外をパーで耐えながのプレーが続いた。最終18番ではパーで上がれば3名でのプレーオフが待っていた。残り50ヤードの3打目を58度のウェッジで2メートルの下りラインにつけた。竹原も「入れれば優勝かも」と思っていたバーディパットを見事に読み切り、後半を37の78ストロークでホールアウト。通算6オーバーパーで2位グループを1打差でかわして初優勝を決めた。
初優勝を決めての第一声は「本当に疲れた」。竹原は優勝が決まり“ホッ”と胸をなでおろした。「今日は大変だったね。やっぱり優勝するということは。特に日本一と言うのはね。限りない嬉しさだね」と満面の笑みで話した。竹原の“夢”でもあった日本一のタイトルを5度目の挑戦で手に入れた。「夢は見ていたら消えてしまうので、私は夢を常に追いかけていました。追いかければ達成が出来ると思っています」と有言実行。そのためには努力も惜しまなかった。毎日毎日、時間があれば球を打ち込んでいた。今日という日のために。
また、今回の好成績は鷹之台カンツリー倶楽部のキャディの力が無ければ達成できなかったという。「昨日も今日も最高のキャディさんで本当に助けられました。マナーが良く、てきぱきしていて、ゴルフを良く知っている」。プレーヤーにとって見ず知らずのキャディが付くのは怖いものでもある。そんな不安を一切感じさせない仕事ぶりを見せたキャディが陰の立役者だったに違いない。
「帰ったら、お祝いで大変なことになるかもしれません」。堂々と胸を張って帰れると安堵の表情を浮かべてゴルフ場を後にした。
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