雛鶴秋四郎は、1番ホールからスタートし、5番ホールでティーショットを右に曲げ、セカンドショット地点に行ってみると、ボールは木の間に止まっていた。とても打てる状況ではなかったのでアンプレヤブルを宣言し、このトラブルでダブルボギーとしてしまった。
しかし、彼はその痛手をもろともせず、その後6,8,11番とバーディを奪い、スコアを1アンダーパーまで伸ばした。14番でボギーを叩くものの、15,17,18番とバーディを奪い、結局第1ラウンドは3アンダーパー69で回り、首位と1打差の2位タイにつけた。
雛鶴はアイアンを6番からしかバッグに入れておらず、3本のユーティリティクラブを駆使している。この日はそのユーティリティーが活躍し、ピンに絡んだホールをことごとくバーディにつなげた。「予選通過すればいい」と思っていただけに「上出来」な内容だった。
来月には64歳を迎える彼には「そろそろミッドシニア」へ気持ちが向いており、「シニアに出るのは今年が最後かも」という思いで本選手権を迎えた。ホームコースは今年日本女子プロゴルフ選手権が行われた安比高原ゴルフクラブだ。そのプロアマ大会に出場したところ、記念品として自分のスウィングを撮ったビデオが送られてきた。内容はティーチングプロが解説し「ボールを上からではなく横から見るほうがいい」というアドバイスが入っていた。これをさっそく実践してみると、「いい感じ」ですこぶる調子が良くなった。
これがこの日の好スコアに結びついた。雛鶴はこれまで東北シニアに2回優勝しているが、「日本」タイトルはまだ手にしたことがない。「日本シニア」のタイトルをもってミッドシニアへ行くのも乙なものだ。
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