通算7アンダーパーの3位で本選出場資格を勝ち取ったサイ・ペイインもまた、喜びを爆発させた。「今年の開催コースを検索して、グーグルでコース写真を見て、すごく綺麗で。”行きたい!”となって」と、初めてのメジャー出場はもちろんのこと、開催コースのトランプナショナルGCのクラブハウスを見て、一目惚れとも言える思いを叶えた歓喜を素直に周囲に見せていた。
しかし、初メジャー挑戦の資格を得る過程では、苦しさも味合わされた。第2ラウンドの途中までは「ショットが良くて、獲れるところは全部獲りたかった」と単独首位に立つ好調なプレーを見せていたが、「27ホールを消化した後、後半になって急にきつくなった」とスコアを伸ばしきれず、首位の座は譲ってしまった。「取りこぼしもたくさんありました」と、停滞したスコアに、肝も冷やした。終わってみれば、首位と1打差、プレーオフとなった4位タイグループとも1打差の僅差での通過とはなったが、しっかりと目標を達成してみせた。
会場の日野ゴルフ倶楽部は、来日6年目のサイ・ペイインが拠点としている滋賀からも近い。「3月、4月に両コースを1ラウンドずつ練習した」とツアー開幕後の厳しいスケジュールの合間を縫って、準備を進めてきた努力が憧れの舞台に繋がったことの嬉しさを流暢な日本語で話してくれたサイ・ペイイン。クラブハウスの美しさに惹かれて出場を願った全米女子オープンだが、もちろんその美しさを鑑賞するだけで終わるつもりはない。「向こうの選手がどんなゴルフをするのか吸収できれば良いですね。アメリカの選手と一緒にプレーしたことはありますが、自分と飛距離は変わらない。他の違うところを見つけて自分が成長できればいいなと思っています。現時点では、気持ちは日本ツアーですが、もう少し成績が出るようになってからは、チャレンジしてみたいかも」と、飛躍の一歩を刻む覚悟も見せて、日野ゴルフ倶楽部を後にした。
|