降り続く雨に各選手が苦戦する中、吉本ここねが4バーディ・2ボギーの安定したプレーでベストスコアの70をマークしてホールアウトした。「えっ、私がトップですか?」スコアカードを提出しての第一声が、それだった。2日間通算1アンダーパー。ただひとりのアンダーパーだった。今春、北海道の札幌光星高校を卒業、プロを目指してゴルフに取り組んでいる。桂ゴルフ倶楽部のマスター室で働きながら、午後は同GCで練習する毎日。プロテストにも挑戦し、すでに2次を突破して7月のファイナルへの進出も決めている。といっても、最終テストに合格し、プロとして登録するまではアマチュア資格がある。おまけに、今年の本選手権にはシード選手と
して臨める立場だった。
「アマチュアとしての最後の試合になると思うので出場したいな…と思ってエントリーしました。できれば有終の美という結果を出したいと思っています」。
10番ホールからのスタートでいきなり6メートル、5メートルのパットが決まって連続バーディで飛び出していった。続く12番をボギーにしたものの、その後はパーを続けて後半の9ホールへとターンした。1番でボギーの後2、3番と連続バーディで、この日2アンダーパーにすると、後は手堅くパーで締めた。
「私にとって、この雨はラッキーだったと思います。グリーンが昨日よりちょっとだけ重くなって、それが私のタッチにしっくりきたんです。だから、どんな状況になっても慌てずにすみました」。
プロへの巣立ちを前に、アマチュアの頂点を極める。吉本の夢は、残る2日間のゴルフにかかっている。
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