上野菜々子は、ずっと安田、西村、古江を意識してゴルフを続けてきた。「小学生のときから、3人とも仲良しなんですけど、背中ばかり見せられてきました」。
昨年の関西女子アマで優勝し、一矢は報いたが、「それでも3人と自分には差がある。特にパッティングで負けている。練習しても、追いつけないんです」そんなトラウマから解放されるきっかけがあった。昨秋のエリエール女子オープンに出場したときのことだった。ラウンド後の練習グリーンでちょうど近くにプロの鈴木愛がいた。上野は、その練習を見守った。
「3メートルぐらいの距離でカップの四方八方にボールを置いて、いろんなライン、傾斜でパッティングするのですが、全部入れ
るまで続けていらっしゃいました」。
さっそく、普段の練習に取り入れた。全部決めるまで止めない。この練習で、パッティングにかなり自信をもてるようになったというのだ。
ショットには、自信があった。この日、1番で第2打がグリーン手前の木に当たり、手前ラフに止まった。ピンまで20ヤードほどのところだった。ここからのアプローチショットがチップインでバーディ発進となった。5番をボギーにするもすぐに6番(パー5)で取り返す。60ヤードの第3打をぴたりとつけて「お先に」のタップインバーディ。後半は10番でボギーが先行したが、13番(パー4)で173ヤードの第2打を5番アイアンで、またもや“OKバーディ”の距離につけた。
「パットに自信をもてるようになってからは、ショットも積極的に狙っていけるようになりました。自分のゴルフが1段階上がったような気がしています」
首位の吉田に1打差。安田には並んだ(2位タイ)。最終ラウンド。ライバルたちとの勝負の行方にも注目したい。
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