出だしの10、11番と連続ボギー。清水大成は、嫌な流れのスタートを切ってしまった。12番ティーインググラウンドにやってくる途中、清水は、何度も自分に言い聞かせた。「この悪い流れをしっかりと切って、いい流れに変えていこう。まだ先は長い。16ホールあるんだから、大丈夫。悪い流れを切ったら、チャンスはあるはず」と自分を諭してティーショットをした。その後、14番までパープレーが続いた。バーディにはならなかったけれど、アプローチやパッティングの感覚は悪くなかった。ピンチのときでも、アプローチが助けてくれた。
そして迎えた15番(554ヤード・パー5)。清水は、会心のティーショットを放った。残り22
0ヤード。身長174センチ、体重70キロと見た目は細身に見える体格だが、彼のドライバーショットの平均飛距離は、キャリーで290ヤード飛ばせる能力がある。
「高校2年のときから、練習用のバットを買って素振りを始めたんです。それを続けていたら、飛ぶようになりました」と言う。その高校3年生のときに、清水は、今回と同じ会場となるRIZAP KBCオーガスタに出場(2016年)している。その2日目に、66をマークし、爆発力のあるジュニア選手として注目を浴びた。実家がコースから30〜40分で、今回も実家から通っている。
15番、第2打は、残り220ヤード。2番アイアンで攻めた。ボールはグリーン奥にいきピンまで10ヤード。60度のウェッジを手にした清水は、そこから直接カップに入れてイーグルとした。悪い流れを払拭し、いい流れを掴んだ。
さらに18番でも、バーディを奪って前半を35。そして折り返した後半、8,9番をバーディ。69の3アンダーパーで第1ラウンドを終えた。
「最初、風が強くてちょっとうまくいきませんでしたけど、入りそうなアプローチがいくつかありましたし、ピンチのときでもうまく助けてくれてパーで凌げましたし、うまくいけたと思います。もともと、切り替えが下手だったんです。悪いとそれが尾を引くタイプだったんですが、大学に入って、コーチや先輩の方たちのアドバイスなどを受けて、だいぶ切り替えられるようになりました」と言い、「グリーンが速いので、アプローチやパッティングがしやすいんです」というから、驚きだ。
昨年、日本学生ゴルフ選手権で優勝。今年の関東アマでも10位と健闘している。それも、ゲーム運びのスキルが上がったからだろう。日本アマは、2015年以来2度目の出場である。彼の存在が、台風の目になるかも知れない。
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