ホールアウトして、スコアカードの提出が終わって囲み取材になる。
そのときに、この日67で回った今野大喜は「今日のショットは、20〜30点の出来でした。でも、メンタルとモチベーションのおかげでこのスコアが出せたと思います」と語った。
4番でバーディ。「そこまではプラン通りだったんです。パー、パー、パー、バーディでのスタート。ところが、5、6番でボギーを叩いて、気持ちもうつむきかけたんです。でも、僕は、去年からのテーマだったメンタルとモチベーションを味方にしようという気持ちを奮い立たせて踏ん張ったら、9番でイーグルがとれました。そこから波に乗れたのかもです」と言う。
「僕は、調子がい
いとビッグスコアが出るんですけど、悪いと、ホントに底なしになるタイプ。それを、どうしたらいいのかというのが昨年の日本アマ以降のテーマでした。悪くなると、ダダダーッとなる。それは果たして技術だろうかと考えると、そんなことはないわけですよね。メンタルだったりモチベーションだったりの要素なんです」と分析し、それを修正するために努力してきたという。
単純なことでいえば「プレー中、常に前を歩く。ボギーを叩いても下を向かない。堂々と歩く。胸を張る」ということを心がけることでも、大きな違いがあるという。
昨年の本選手権。今野は優勝争いをしていた。結果的には、17、18番の連続ボギーで1打足りずに2位タイとなった。今野が悔いを残したのが18番の残り104ヤードからのショットだった。
「敗因は、あの1打です。雨が降り出して、しっかりと打ちたいという気持ちもあって、力が入ってしまいました」と悔む。グリーン奥にこぼれてしまった。ボギーだった。その1打が、敗因となったのだ。 そして「大澤君とは、大学も一緒ですし、同じ愛知県なので、いつも行動も一緒です。ですから、同級生同士で18ホール、バチバチと戦っていました。それは満足ですけど、あのウェッジがこれからの大きな課題になりますね。
それで負けたことを自分のテーマにしていけば、次はチャンスが巡ってくると思っています。いま、出来たことと、出来なかったことがよくわかったわけですからね。目標スコアにも4打足りなかったことも含めてです」という言葉で締めくくった。
あれから1年。今野はしっかりと修正して戦っている。「9番でイーグルを出したあと、10、11番とうまくパーセーブできたあと12番から4ホール連続バーディが獲れました。これは前向きになれていた証拠だと思います。調子が悪いときに、スコアをどうやって底上げするかというテーマをこなしてきた結果がでたと思う」と語った。
12番、7メートル。13番、12メートル。14番、5メートル。15番、3メートルのイーグルパットを逃してのバーディ。そして18番も、同じ3メートルのイーグルパットからのバーディだった。
もともと爆発力のある今野大喜。その今野は、ショット内容が20〜30点でも、5アンダーパー、67のスコアが出せたことで、より自信がついた。昨年のリベンジに向かって最高の出だしである。
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