3年前の廣野ゴルフ倶楽部で開催された第100回の日本アマチュアゴルフ選手権で、15歳19日という年齢で決勝戦まで勝ち進んだ中島啓太。
優勝したのは、17歳51日の金谷拓実だった。あのとき、まだあどけなさが残っていた中島は、一回りも二回りも大きくなって、今大会で戦っている。身長178センチとプロフィールには記されているけれど、見た目は180センチの体躯だ。現在、代々木高校3年生。かなりがっちりしてきたね?と聞くと「今年の3月ごろから、急に飛距離が出始めたんです。トレーニングの成果なのかよくわかりませんが、アイアンでも1番手は違いますしね。ただ、問題は、ドライバーショットなんです。飛びすぎる
ことで、どうしてもバラツキが出てしまうんです。ですから、悩みというか、苦しいのは、そういうドライバーの状態で戦って、スコアをつくりにいくことです」と言った。
成長過程。いや急激な成長過程は、肉体だけでなくショットにも技量にも反映している。そこで、いざ試合で戦っている最中に、どういう折り合いをつけながらスコアをまとめていくかだ。まして中島の目指すものは、高みにある。スコアをまとめるだけでなく、そこからいくつスコアを縮められるかという問題だ。
第1ラウンドは、70。そして第2ラウンドは69。通算5アンダーパー。10番からスタートして、11番では3メートルを入れてバーディ。15番では、20ヤードのアプローチをチップイン。後半は、5番、バーディ。7番、ボギーでの69だった。
「とてもいま不安なんです。ドライバーショットが不安定な中でプレーすることの難しさは、ほんと辛いですね。でも、ピンチのあとになんとかセーブしていくというプレーを強いられ、それがある程度できたことは大きいと思います」。
中島は、いま週2〜3回トレーニングに励んでいる。見れば太ももを一段と逞しくなっているし、体幹、インナーマッスルもうまくつき始めているようだ。「ですからトレーニングは辞めたくないんです。このまましっかりと肉体を鍛えていきたい。でも試合もありますから、そういうメリハリをつけながらも、この調子でいきたいと思います」と語った。
ナショナルチームの一員になって「ともかく金谷さん、今野さんなどの先輩と一緒に練習やプレーもできますし、遠征にも行けますし、すごく刺激になっています。今年、英国に行ってリンクスコースをたくさん体験したんですけど、いいですねぇ。大好きです」と語る中島は、ようやく18歳になったばかりである。
目標は? と聞くと「今年の世界アマに、できれば行きたいんです」と語ってくれた。その世界アマチュアゴルフチーム選手権は、今年アイルランドで開催される。中島の好きなリンクスコースなのである。
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