前日首位の中島啓太は、10番からスタートし、ティーショットはやや右にショートカットして打っていくホールだが自身「完璧なショット」というほどのナイスショットでフェアウェイをとらえた。この日もスコアを伸ばせそうな予感を感じさせるショットだった。ところが第2打で左からアゲインストの風が吹いていたので、抑えて低い球を打とうとしたところ、吹き上がってしまい、グリーンを外す。難しいアプローチが残り、結局ボギーとしてしまう。
続く11番(205ヤード)でも同じ4番アイアンで低い球を打とうとしたが、またもや同じミスを繰り返し、ボールは吹き上がってボールは右手前のバンカーへ。そこからのバンカーショットはク
ラブが薄く入ってしまい、ピンを10メートルほどオーバーして、そこから3パットのダブルボギーとしてしまう。わずかスタートして2ホールで3ストロークも落としてしまい、厳しい状況だった。そのあとにボギーが先に来るようならズルズルとスコアを落としてもおかしくない状況だったが、14番ホールで残り70ヤードの第2打をピンの根元につけてバーディを奪い、「先にバーディが来てよかった」と息を吹き返した。
続く15番でボギーを叩いたものの、後半の6番ホール(パー5)で15ヤードのアプローチをチップインしてイーグル。8番でもバーディを奪い、この日のスコアをイーブンパーに戻し、通算6アンダーパーでホールアウトした。
右小指骨折のけがで5月中旬から指に負担がかからない変則オーバーラッピンググリップでスウィングをしてきたが、怪我が治ったこともあり先週に元のインターロッキンググリップに戻した。ただし、感覚の部分では自分のイメージ通りのスウィングに戻っていないようだ。本来、「アゲインストの風に対して抑えて低い球を打つことが好き」という中島が3回、右にふかしている。「風の中でボールをコントロールするのは、まだ難しい」という状態のようだ。
本来の調子を取り戻せていないとはいえ、36ホールを終了して杉浦裕太に首位の座を明け渡したものの、彼我の差は1打の2位だ。「優勝争いに絡めているのは、本当にいい。昨日ティーショットを気持ちよく振れていたので、逆に今日は注意点がおろそかになってしまったかも」と復調に向けて好感触だったのが、あだになったかも。これで気を引き締めて最終ラウンドに挑むことができる。むしろそれは彼にとって好結果を生むかもしれない。
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