1オーバーパーの31位タイからスタートした渋澤莉絵留。第2ラウンドは5バーディ・ノーボギーのベストスコアをマークして通算3アンダーパーまでスコアを伸ばし、2打差の4位タイにまで浮上した。群馬県出身で、高校は福岡県の沖学園にゴルフ留学した。その高校ゴルフ部生活では、今回で3年連続出場になる。
「過去の2回は、最悪の結果でした。昨年も第1日に叩いてしまって、第2日は取り戻そうという気持ちばかりが先行して自滅の予選落ちでした」
それから1年。今大会は、かなりの自信と手応えを携えての出場だった。「一番変わったのは、ゴルフの組み立て方です。耐えるホール、攻めるホールのメリハリがつけられるようになった
のが大きいと思います。それだけ、ショットにも安定感がでてきて、昨年までよりも、ずっと計算できる状態になりました」。その上に「夏場を迎えて調子が上がってきて、ショット、パットともに自信をもってホールに臨めるようになりました」。
そんな状態で迎えた最後の日本ジュニア。第2ラウンドの66は、出るべくして出たベストスコアだった。スタートの1番は逆風に向かって5番ウッドの第2打を3メートルにつけ、2番では135ヤードの第2打を9番アイアンで、これまた3メートルに乗せての連続バーディ発進を決めた。ここから5ホールは我慢しながらのパー行進だったが、心に波風を立てることなく、次のチャンスが来るのをじっと待った。そして再び、その時がきた。8番のパー5ホールである。第3打は、ピンまで60ヤード。いつもならサンドウェッジを手にするところだが、この日は逆風とうこともあり、50度のウェッジで低く抑えたショットを打ち出し、ピンの根元に止めた。タップインのバーディだった。10番にターンしての14番(パー5)では第1打から攻め、第2打には3番ウッドを手にして2オンさせた。イーグルはならなかったが、楽々バーディ。これが、66というスコアの内容である。
趣味は手芸という意外な一面もある。キャップのつばの裏には好きなキャラクターや“平成最後の夏”などの文字がきれいなカラーイラストで描きこまれていた。これを同校同学年の男女部員全員と先生方に贈ったという。
「この夏は、高校生活最高の思い出にしたいんです。だから、この大会も優勝したい。勝ちたいです」
渋澤は最終ラウンドもメリハリの効いたゴルフで思い出作りに取り組む。
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