首位と2打差の4位タイから逆転を狙って最終ラウンドをスタートした澁澤莉絵留。最後の日本ジュニアに賭ける思いを表現するかのように連続バーディで最後の18ホールの幕を開いた。「出だしで2バーディを獲れて、良い流れに乗ることが出来た」と振り返る澁澤は、6番でボギーを叩いたものの、8番(パー5)では3打目をバックスピンで直接放り込むチップイン・イーグルを決めて最終組でしのぎを削る吉田と政田と1打差に詰め寄る。9番ではアプローチを寄せきれずピンチを迎えるが、これをねじ込んで見せる。
しかし、ハーフターンの休憩中に最終組のスコアを知り、「焦りが出たのかも」と10番でボギーを喫してしまう。13番でもス
コアを落とした澁澤は、優勝争いから脱落したかに思われた。しかし、バーディを獲りたいと思っていた14番(パー5)で計算通りのスコアで収めたことで再び澁澤にスイッチが入る。16、17番の連続バーディで優勝争いの一角に食い込んで迎えた最終18番。3連続バーディを狙った澁澤に第1ラウンドの出来事が思い起こされた。「第1ラウンドでは、2打目をグリーンサイドの池に入れてしまって…少しその時のイメージが残っていたのかも」とバーディチャンスにつけたい2打目を前に負のイメージを拭い去ることが出来ずにボギーフィニッシュ。「今思えば、ピン左に安全に打っておけばよかった」と悔やむ1打は、澁澤の初優勝を霧散させてしまった。
ホールアウト後、努めて冷静に話をしてくれた澁澤は、「でも最終ラウンドでスコアを伸ばせてよかった」という言葉を発したあと、こみ上げる涙をこらえているように見えた。
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