10番ホールからスタートして5バーディ・3ボギーの2アンダーパー69。ホールアウトした竹田麗央は、トップタイ発進だというのに、浮かない顔で「うーん、まあまあ…ですね」と第一日のラウンドを振り返った。竹田には、自分のゴルフに満足できないところがあった。
12、13番の連続バーディを先行させたのだが、実は、それ以外にもバーディチャンスが、それこそ山のようにあった。なにしろ前半の9ホールでグリーンを外したのは15番の1ホールだけで、あとの8ホールは、全てパーオン、しかも全て5メートル以内のチャンスだった。その中で決まったのは2メートルだった12番と50センチだった13番の2ホールだけ。「前半は、もっと、もっとスコアを伸ばせたはずなのに…」そんな思いを後半の9ホールまで引きずってしまった。2、3番で連続ボギー、5番で2メートルを決めて再びアンダーパーの世界に戻したが、7番をボギーにしてイーブンパー。上りの8、9番を連続バーディに仕留めたことで、ちょっと留飲を下げ、納得いかないまでも「まあまあ…」というところに落ち着いたというわけである。
昨年に続いての2大会連続出場。今大会は、目標を優勝に絞り込んで臨んできた。自信の裏付けになっているのは、日々のトレーニングだ。自宅近くの公園で50メートル、30メートル、10メートルのダッシュを各10本。下半身強化に取り組んだ後は、自宅ででもできる体幹トレーニングを週2回。さらに打ち込み練習も欠かさない。その成果が、得意にしているドライバーショットの安定と飛距離アップをもたらした。平均250ヤード。練習ラウンドでもショットが冴え、「これなら、優勝争いには加われそうだ」という手応えをつかめたという。
フェアウェイキープのコツは「合わせにいかないこと。しっかり振り切ることです。自分は、そうしています」。振り切れる体力がついたことで、ますます飛んで曲がらないショットを打ち出せるようになった。
チャンスを逃し続けたパッティングも5番で「ボールをヒットするとき、上半身がわずかに突っ込んでいたことに気づいて、そこを意識したら決めたラインに乗っていってくれるようになりました」という。修正能力にも長けている。楽しみな逸材だ。
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