最終ラウンド最終組でのプレー。森愉生は、どんな気持ちで1番ティーインググラウンドに立ったのだろうか。「考えていたのは、この組ではトップになろうということでした」。その狙いは、はずさなかった。73でのホールアウトは、間違いなく最終組3選手の中ではベストスコアだった。しかし、それで優勝できたのかどうか、不安な思いでスコアカード提出所に戻ってきた。カードを提出したところで「おめでとう。優勝です」と教えられ、思わず「マジすか?」という言葉が口をついて出たのだった。
最終ラウンド前半の9ホールは、風の中で2バーディ・2ボギーのパープレーにまとめた。前日までの通算2アンダーパーをキープでき、最終組で
は2選手との差を広げていた。そのために、後半は優勝を意識してのプレーへと切り替わっていた。それが、逆効果だった。10番、12番とボギーが先行し、結局、この日は2オーバーパー73でのホールアウトとなった。
「余計なことを意識したせいで、自分を緊張させてしまいました。後半は2オーバーパーにしてしまったので、前の組に抜かれたかもしれない。最終成績を聞くまで不安でした」。
5歳でゴルフを始め、中学2年生(倉敷市立西中学)で初めて全国大会で優勝した。「(優勝が)決まって、ちょっと驚きましたけど、その後は“勝ててよかった。うれしい”という気持ちが押し寄せてきました。来年の夢も浮かんできました。来年は3年生で、もう一度12~14歳の部に出場できるので連覇したい。それを目指して練習します。目標があれば、さらに熱心に練習できます」。
目標にする人は宮里藍だという。「人柄がよく、上手くて強くて、いつも安定したプレーをする。私も、藍さんのような選手になりたいと思っています」。
159センチ。身長もスピードも飛距離も、まだまだ伸びしろがある。1年間でどんな成長を見せてくれるのか。早くも来年の大会で見るのが楽しみになってきた。
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