本選手権初出場ながら、1打差2位入賞を果たした星川ひなのは、喜びや満足感ではなく、悔しさをにじませていた。首位をいく髙久ゆうなと最終組でスタートした最終ラウンド。星川は、したたかだった。前半からスコアメイクに苦しむ髙久と自分との差を「毎ホール、しっかり計算していた」という。しかし、「全体的に髙久選手よりも自分のゴルフの方が良かったと感じていた」という感触を掴んでいながらも、バーディチャンスを決めきれないもどかしさは想像に難しくない。
初バーディは9番(パー5)。しかし、直後の10番でティーショットを左に曲げるミスで4オン・1パットのボギー。彼我の状況は、なかなか好転しなかった。星川は15
番で1.5メートルのバーディを決めて反撃の狼煙をあげたものの、17番(パー5)ではサードショットを前に「9番アイアンかピッチングウェッジかで悩んで…最後は短めのクラブで打った」ショットがグリーン手前に落ちてのボギー。最終ホールで髙久がトリプルボギーを叩いて、1打差とはなったものの、それまでに髙久を追い詰めることが出来なかったことが、悔しさを増幅させた。
「優勝を目指してきたので、残念です。肝心なところでフェアウェイを外してしまって、自分でピンチを招いてしまったり…」と口から溢れるのは反省の弁ばかり。「最後までアイアンの距離感を合わせることが出来ず、もったいない3日間でした。ゴルフの内容は、決して悪くはなかったと思いますが、自分で勝ちにいけなかった本当に悔しい」と、初優勝を自らの手で引き寄せられなかったことを悔やんでいた。
|