8月から試合が続き約20ラウンドくらいをこなしているという中村幸造。だが、ゴルフの調子は良い状態が続いていた。2年をかけて取り組んできたスウィング改造によって、目指していた球をようやく打てるようにもなってきた。ただ、いつかは調子の波が落ちる時がくるだろうとは予測していた。
「自分でもいつかはくると思っていましたが、まさかここで来るとは思いませんでした」
今週は本選に向けて練習ラウンドを2回行い、今日は4ラウンド目になるが4ラウンドの中で今日が最も調子が悪かったと苦笑いを見せる。「朝の練習から何かおかしい感じがしていたんです。だから今日は我慢するしかないかなと」覚悟を決めて最終ラウンドを
スタートした。中村は我慢のゴルフでことごとくピンチを凌いだ。無理をせずに我慢に徹したことが結果的に粘り強いゴルフに繋がった。
勝負の鍵になったと振り返るのは17番ホール。ティーショットをバンカーに入れて、2打目を少し無理してしまってミス。なんとか3オンさせたものの、5メートルほどのパーパットを残した。「これを決めなければ終わりだと言う予感はありました。今週で一番強めに打ったパットです」と、これを見事に決めて、上がってみればプレーオフへと繋がる貴重な1ストロークとなった。
また、中村はプレーオフを得意にしているとう点でも精神的に優位に立っていた。現在は福井県在住の中村は過去に福井県アマチュアゴルフ選手権でプレーオフを2回経験し、そのいずれもで勝利を収めている。そんな成功体験を持っていたことで、その時の気持ちを思い出しながらで臨むことができたと振り返る。
本選で勝負をかけたのが17番ホールなら、プレーオフで勝負を決したのも17番ホール。中村にとって17番ホールは今週のラッキーホールになった。
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