2015年の優勝者、豊島豊はただ一人アンダーパーで回り、「よかった」と安堵の表情。「パー3は難しいし、ショットをグリーンにとめるので精いっぱい。ティーショットでラフに入れるとシビア。小野は広くないし、距離の長いホールでラフに入れてしまうと、僕は飛距離が出ないのでグリーンを狙えない」。実際、470ヤードの13番(パー4)ではティーショットを左にミスして、ラフに入れてしまった。グリーンまでの距離は240ヤードも残ったため「無理に狙うよりは」とグリーン手前50ヤードの距離に刻み、そこから寄せて見事にパーをセーブして見せた。「まだ第1ラウンド。ある程度徐行運転で丁寧に」プレーした結果だった。
本選手権で複数回優勝しているのは、現在プロフェッショナルゴルファーとしてシニアツアーで活躍している田村尚之が3回(2002、2003、2010年)、田中政佳(2006,2011年)と高橋雅也(2008,2014年)がそれぞれ2回と、その3人だけである。それだけに「自分の年齢(41歳)で出場できるカテゴリーでは、この大会が一番優勝したい」と2度目の優勝に意欲を見せる。
飛ばし屋が有利なコースよりは小野ゴルフ倶楽部のようにショットの精度やコースマネージメントが問われるコースのほうが自分にチャンスがあると思っている。第1ラウンドで好スタートを切っただけに、その可能性は高まったといえる。明日の第2ラウンドでも冷静な判断で上位をキープし、2度目の戴冠に大きく前進したいところだ。
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