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1アンダーパーで首位に立った豊島豊は10番ホールからのスタート。12番で「幸先よくバーディを獲って」2アンダーパーにスコアを伸ばした。しかし、続く470ヤードと距離の長い13番ホールで、昨日に引き続きフェアウェイを外し、2打目をレイアップして3打目のアプローチを1メートルに寄せたものの、このパーパットを決めることができずにボギーとした。さらにピンチは続く。
この日の15番ホールのホールロケーションは、手前4ヤード右から5ヤードの位置。豊島は第2打を奥10ヤードのところに乗せてしまい、急激な下りのラインを残してしまった。「まっすぐ打ったら止まらない」と感じ、ホールに対して45度の角度で背を向けるようにして右のマウンドへパットした。ボールはマウンドを一度上り、大きく右からスルスルとカップに向かって滑り落ちるような感じで止まり、ナイスパーで切り抜けた。
そうすると16番ホールのパー5でバーディを奪い、再び2アンダーパーとする。ハーフターンして1番もバーディで3アンダーパーまで伸ばした。5番ホールでボギーを叩いたものの、通算2アンダーパーでホールアウトし、2位に4打差をつけて首位をキープした。
多くの選手がスコアメイクに苦しみ、スコアを落としているコースコンディションの中で、ただ一人アンダーパーで回った。順調にスコアを伸ばしているように見えるが、彼にもピンチは他にもあった。3番ホールではティーショットを右の土手に曲げ、2打目は刻んで3オンしたものの8メートルのパーパットをねじ込んだ。さらに4番ホールではやはりティーショットを右に曲げて、ボールは猪が荒らしたところへ行き、救済を受けたもののドロップをした箇所は林の中。残り170ヤードの第2打を4番アイアンで打ってグリーンのカラーまで持っていき、パーをセーブした。
「あそこでボギーを打っていたら、75か76まで行っていたでしょうね」とこの日のプレーのなかでのキーポイントに挙げた。豊富な経験による巧みなコースマネージメントと好調なパットでスコアを作り出しているのはさすがだ。
これで3年ぶり2度目の優勝も見えてきた。しかし豊島は「いやいや、コツコツと行きますよ」と周囲を煙に巻く。4打差は絶対的な安全圏とはいえないが、かなり有利であることは間違いない。これまで完全優勝は、田村尚之(2002,2010年)、高橋雅也(2008,2014年)の2人しかいない。豊島がそれに続くのか、注目だ。
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