トップタイでスタートした和久井麻由は、14番まで快調に飛ばした。圧巻だったのは、8番からの5ホール連続バーディだった。6番アイアンでのティーショットをピン横2メートルにつけたのが始まりであった。そこからは、立て続けにピンそばにつけて、ことごとく1パットで沈めていった。13番で連続バーディは途切れたものの、続く14番でも140ヤードを8番アイアンのハーフショットで1メートルにつけるワザを見せて、この段階で通算13アンダーパーにまでスコアを伸ばした。
快進撃に急ブレーキがかかったのは15番ホールだった。パーオンしたものの下りパットが「思っていたよりも、はるかに速いラインで、最初に打ったのと同
じぐらい(6メートル)転がっていってしまいました」。ということで、返しのパットもはずしての3パットでボギーにした。ショックは尾を引き、続く16番(パー3)では第1打を右バンカーに打ち込み連続ボギー。17番(パー5)は、第2打を冷静にレイアップして90ヤードの第3打を2メートルにつけるバーディでバウンスバックしたものの、最終18番でまた3パットのボギーを叩いてしまう。第2打をピン奥で下りのラインを残していた。ファーストパットに入る前に頭をよぎったのは15番ホールのグリーンでのできごとだった。
「下りで、思ったよりもずっと速かった」と、このことである。「ここも速いんだろうな…」と、しっかり距離を合わせるつもりで慎重にストロークした。ところが、今度は読んだほど下り傾斜は強くなく、6メートルから2メートルもショートしてしまった。「もう、頭の中が真っ白になってしまって…」残したパーパットも決められずに3パットのボギーでのホールアウトとなったのだった。
なんと、後半の9ホール、パーは1ホールだけで、あとの8ホールは5バーディ・3ボギーとアップダウンのきつい内容だった。
「15番からの3ボギーには、自分に腹を立てました。トップに立てたことよりも、そちらの悔しさばかりが残るラウンドになってしまいました」。
第3ラウンドの予報は雨。「それは、やっぱりな…という感想です。なにしろ友人たちからは、“最強の雨女”と呼ばれていますから。試合というと雨です、はい」
雨予報もあって、第2ラウンドには伸ばせるだけ伸ばしておくつもりだったのに、終盤の3ボギーには、どうにも腹の虫が納まらないようすの和久井ではあった。
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