中島啓太の試合に取り組む姿勢は、徹底している。自分が、どの順位につけているか。誰が、どういうスコアになっているか。いくつ伸ばさなければいけないかなどの外側の情報を一切排除している。「はい。自分のスタート時間しかしりませんから(笑)」という。そういうスタイルを実践していると「自分のゴルフのマネジメントにだけ集中できるんです。ですから、自分のスコアをも気にしたくない。以前は、スタート前に、自分の想定スコアを決めてプレーしていましたけど、いまはそれすらしていません」と言った。ここ1、2年の変化だった。とりわけ、リンクスコースで戦っていると、自分の世界の中に没頭でき、結果的にいいスコアで回れるのだとい
う。
第2ラウンドは、10番からのスタートだった。11番(パー5)でバーディ。14番で、ボギー。その後、16、17、18番と連続バーディだった。16番では、150ヤードを8番アイアンで30センチ。17番(パー3)では179ヤードを8番アイアンで2メートル。18番(パー5)はエッジから1.5メートルに寄せてのバーディだった。
後半に入ってからは、3番(パー5)でバーディ。4番(パー4)でボギーのパープレーでホールアウトし、この日、68として通算5アンダーパー。首位と2打差の5位タイとなった。
「今日の後半は、パー5がひとつしかないので、僕的に難しいんです。チャンスがあるとすれば、7、8番なんですけど、グリーンも難しく第2打にプレッシャーがかかるホール。ですから無理できないホール」だと言った。第2ラウンドで、無理して攻めにいく必要もない。むしろじっくりと機会を待って狙う、と言いたかったのかも知れない。
今季、1ヶ月間の海外遠征。米国、スコットランド、オーストリア、そしてアイルランド。米国では、アーノルド・パーマー・カップで世界選抜のメンバー。そしてアイルランドでは、全英アマチュア選手権に挑戦。その間、オーストラリアのナショナルチームとの合宿という強行軍だった。
「いろいろな経験をさせてもらいました。特に、リンクスでは雨や強風など、いろいろ難しいコンディションを経験したことで、いまは、そういう中でも落ち着いてプレーできるのかなと思います。ですから、今回のコースの特徴である砲台グリーンの難しさの中でも、冷静にできています。今日も、自分のマネジメントには、ミスがありませんでした。もちろん、ショットミスなどはありましたけれど、まずまずの出来だと思っています」。
今年、日体大に進学した新入生。19歳。「大学生活は、楽しいですね。特に、いろいろなスポーツと出会えますし、トレーニングも充実しています。やっぱり進学してよかったと思います」と語った。
残り36ホールを中島啓太は、どんなマネジメントで頂きを目指していくのだろう。
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