唐下明徒が通算4アンダーパーで2位に3打差をつけて優勝した。前日1番からいきなり3連続ボギーを叩き、父から「気持ちが緩んでいる」と指摘された。それだけにこの日は最初の3ホールに気持ちを集中させた。1番をパーでスタートし、2番ホールで早くもピンチが訪れた。第2打をミスし、40ヤードのアプローチを残したが、ここから2.5メートルにつけて「しっかりパーをセーブすることができた。昨日のようにボギーにしなかった」ことが大きい。課題の最初の3ホールをパーで切り抜け、4番ホールでボギーを叩いたものの、7番ホールでバーディを奪い「取り戻せたのは大きかった。ボギーを打つのは仕方ない。ボギーを打っても取り戻そう」
と前日から考えていた。後半に入って10番でボギー、11番でバーディ、12番でボギー、14番でバーディと、まさにその通りのプレーをした。同じ組で回る小林大河や久常涼らがスコアを落とし、最後までスコアを落とさなかった唐下が優勝した。
「自分が優勝できると思っていなかった。まずはホッとしています。嬉しいのは嬉しいですけど、今日一日耐えるゴルフをしていて、緊張していて疲れました」がホールアウト後の第一声だった。持ち味はドライバー。「3日間通して刻まない」とパー3を除くほとんどのホールでドライバーを握った。「今日はだれよりも飛ばすという気持ちで回った。それを貫き通すことが調子の良さにつながった。しっかり振り切れたか、ということを重視して、それを続けられたのが大きい」という。
広島県安芸郡の出身で、今年の中国ジュニアで2位に入っているのが一番いい成績で、もちろん「日本」タイトルは初めて。「日本」や「全国」のタイトルは「いろんな意味で大きい」と来年は「日本アマ」に「調子を合わせていきたい」と照準を合わせる。とかく女子のアマチュア選手に注目が集まる中で、将来が楽しみな逸材が登場だ。
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