蝉川泰果は、練習ラウンドでは「8番アイアンや9番アイアンで打ってもグリーンを外していた」と80を打つほど調子はよくなかった。そこで「体が止まっていた」と気づいた。「自信を持って体を回転することを心掛けてプレーした」ところ、徐々に調子が上がってきた。「前半はパー5でバーディがとれなくて、スロースタートだった」が、後半は「パットが入ってくれたことが大きい」と6バーディを奪い、8アンダーパー64でホールアウトした。自己ベストスコアタイで「試合ではベスト」スコアだった。
首位と1打差の2位タイ。好スタートを切った。それでも「あせらずゆっくりと、バーディを獲れるところで獲っていきたい」と平常心を強調する。彼にはそれなりの理由がある。それは今年7月の日本アマチュアゴルフ選手権では、彼は第3ラウンドを終えて首位と1打差の2位タイにつけていた。優勝を狙う絶好の位置だった。しかし、最終ラウンドは2オーバーパー73を叩き、結局9位タイに終わった。その悔しさは忘れていない。「そんなことがないように、このままいけたらいい」ということだ。
蝉川は高校時代には2017年に関西ジュニアゴルフ選手権に優勝、昨年は国民体育大会で個人優勝するなど将来を嘱望されている選手だ。さらなる飛躍のために今年、東北福祉大学に進学した。その才能を開花させる日が待たれる。
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