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全国大会では未勝利の吉田好輝が驚愕のプレーを見せた。スタートの10番ホールで3メートルのバーディパットを決めて、吉田劇場の幕が開いた。11番で5メートル、12番(パー3)では8番アイアンのティーショットを1.5メートル、13番(パー5)といきなりの4連続バーディ。14番のパーを挟んで、15番で4メートル、16番で残り80ヤードのセカンドショットをウェッジでピンを刺し1メートル、17番(パー3)は6番アイアンのティーショットを5メートル、18番(パー5)も80ヤードのサードショットを1メートルにつけて、またもや4連続バーディ。前半9ホールでパーは1つ。残り8ホールをすべてバーディとする圧巻のプレーに、吉田自身も「どこまでスコアが伸びるのか、怖くなりました」と苦笑い。得意のアイアンショットは切れていたが、「ドライバーショットは、決して満足できる出来ではなかった」という中での8バーディ奪取は、たしかに本人も驚きだっただろう。後半1番(パー5)で5連続となるバーディパットを沈めたときには、「50台のスコアが出るかも」と色気が出たが、直後の2番で初ボギーを叩き、「逆に、正気に戻ったというか。落ち着きを取り戻せました」と7番までパーを積み重ねる。この日最後のバーディは8番。左ラフからのセカンドショットは、7メートルとつかなかったものの、これを見事に沈めて、63でホールアウト。自身のベストスコアを2打更新する圧巻のプレーだった。
「練習で3度、このコースをプレーしましたが、グリーンの傾斜とパッティングの切れ具合がつかめず、苦戦するかなと。まさかこんなに良いスコアが出るとは…」とホールアウト後には、喜びと驚きが入り混じった表情を見せていた吉田。正午前から降り始めた雨がグリーンスピードを落とし、パッティングのタッチが合ったのに加え、「この1年、パッティングの練習を重ねてきて、自分でも成長していると実感している」という、手応えがスコアに結びついた。
中学3年と高校3年の2度、中国ジュニアゴルフ選手権を制している吉田だが、全国大会でのタイトルは、まだ手にしていない。「今年は、ベスト5入りを目標にしてきましたが、単独首位に立てたので、優勝を狙っていきたい。目標は通算20アンダーパーです」と、狙いも大きく上方修正した。
明日以降もスコアの伸ばし合いが予想される本年大会。吉田はこの勢いのまま、一気に初の全国タイトルを掴むことができるか。
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