小西瑞穂は、5バーディ・2ボギーの3アンダーパー69をマークしたが、浮かれた様子はなかった。この日は10番ホールからスタートし、グリーンまで行ってみるとセカンドショットがあわやカップインかという、2、3センチのところにボールが止まっていた。「ラッキー」というバーディだった。そのあとも14番、奥から下りのスライスライン7メートル、15番奥のカラーからパターを使い9メートルを沈めてバーディを奪った。18番では2メートルのバーディパットを決めて、前半を4アンダーパー32でターンした。後半も6番で10メートルを沈め、バーディを獲った。ここまでは順調だった。
しかし、7番では「手前の池を避けようと
」9番アイアンで打ったショットは、フォローの風に乗ってしまったのか、キャリーでグリーンオーバーして、この日初のボギーに。9番ホールは第2打を右のバンカーに入れて、ボギーにしてしまった。上がり3ホールで2つスコアを落とし、その辺が不満かと思えば「まぁ、そんなもんかな」と気にするそぶりはない。
小西は2017年に本選手権に優勝したが、昨年は思った成績を出すことはできなかった。ショットの不調に苦しんでいたが、ここに来て光明を見出すことができた。きっかけは大学の先輩でもある松山英樹だった。松山が帰国した際に、「最近、どう?」と問いかけられ、2人だけで30分ほど話をする機会があった。「技術的、メンタルなど様々な話を聞くことができた。それで“気持ちが楽になった”という彼女は、この日も「ボギーを打ちそうなところでしのげた」とゴルフの調子は上向きになってきた。復調のきっかけをつかんだ彼女が、本選手権2度目の優勝については「深く考えていない」というが、その可能性はたかまりつつある。
|