雷雲接近のため競技が中断するなど波乱含みの展開となった最終ラウンド。初優勝の星川とともに最終組をプレーした小西瑞穂と田中のどかは、優勝にはあと一歩届かなかったが、納得の表情を見せていた。
2017年大会以来2度目の優勝を狙って3打差2位タイでスタートした小西は、4番のボギーで前半で1つスコアを落としてしまう。12番でボギーが先行する苦しい流れだったが、13番でバウンスバックを決めて、優勝争いに踏みとどまる粘りを見せた。17、18番では連続バーディを奪って星川を追い詰めたのは、優勝に向かう小西の執念が見られた場面だった。「今日は、自分の日じゃなかったです。バーディチャンスについても難しいラ
インであったり。序盤からいいプレーが出来ていればと思うと悔しさはあります。でも、3日間アンダーパーでプレーできたし、最後の連続バーディで自分の成長は実感できました」と、表情に暗さは見られなかった。2017年大会で初優勝を飾り、連覇の期待がかけられた昨年は、よもやのカット。「この1年間、しんどい思いも正直してきました。でも、ようやく形になってきたと思います」と、最後まで優勝争いを演じた自分に納得ができた大会となった。
小西とともに3打差2位タイでティーオフした田中もまた、「悔しさはありますが、3日間ひとつも悔いはありません」と、笑顔を見せた。今年が最後の本選手権になる田中には、心に期するものがあっただろう。同じ組でプレーをする星川と小西が前半で苦しむ中、「耐えに耐えてのパーセーフを続けて」7番(パー3)のバーディで、首位タイに並んで見せたのは、田中の本選手権への強い思いからだったかもしれない。しかし、10番でアプローチミスからこの日初ボギーを喫すると、その後はチャンスを活かせず、パープレーでホールアウト。通算4アンダーパーで星川と2打差の3位で最後の日本女子学生を終えた。「10番のボギーは、難しいアプローチで寄せきれなきれなかったもの。しょうがないです」という言葉に続いたのが、「ひとつも悔いはない」という充実感あふれるコメントだった。最後に「心残りはあるけれど」といたずらっぽい笑みを浮かべて、本選手権を卒業する。
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